事件現場清掃人は見た 立て続けに孤独死した“2人の男性”の気の毒すぎる共通点は?

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学会の仏壇

 このマンションは、月末になると大家へ直接家賃を持っていくことになっていた。

「家賃を持ってこないので、大家さんが部屋に行ってみたそうです。呼びかけても返事はないし、電気はついたままで換気扇もまわっていた。ドアチェーンもかかったまま。そこで大家さんは警察へ通報、警官が窓ガラスを割って部屋に入ると、ベッドの上で亡くなっている男性を発見したのです。死後1週間ほど経っていたそうです。このケースも、住人は引っ越したばかりで家賃は1度も払わずに亡くなったのです」

 部屋には、仏壇があった。 

「線香を横に置く四角い香炉があったので、某宗教団体の仏壇だとわかりました。生活した形跡はなくても、お祈りだけはきちんと行っていたようですね」

 トイレには、血痕があった。

「具合が悪くなって、トイレで下血したようです。その後ベッドで横になったようですが、そのまま亡くなったということでした」

 高江洲氏は、特殊清掃にかかる見積もりだけ出して、マンションを出た。

「続けて行った現場で、住人がいずれも引っ越しした直後に亡くなったとは……。さすがの私もびっくりしました。同じ時期に、同じ状況下で亡くなった2人は、どんな巡り合わせだったのでしょうか。人生の不思議さを感じました」

デイリー新潮取材班

2021年6月25日掲載

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