名門「日本製鉄」でも「就活セクハラ」 採用担当者がラインで「朝からず~っと会えますか?」性的関係を迫る
私用ラインを交換
今年5月、厚労省は、男女1000人の就活生のうち4人に1人が被害に遭っていたとの調査結果を明らかにした。想像以上に就活セクハラは蔓延しているようで、日本を代表する名門企業もその例外ではない。鉄鋼トップ「日本製鉄」の採用担当者が、信じがたい執拗さで入社予定の女性に性的関係を迫っていたのだ。
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被害者は31歳の女性。職業訓練学校で資格を取り、昨年、日本製鉄の東日本製鉄所(茨城県鹿嶋市)の採用試験に応募した。昨年11月に行われた1次面接の面接官が“加害者”だ。
「面接官3人のうちの一人がMさんでした。一番の年配で、採用の責任者のように見えました」
と、女性が打ち明ける。彼女は翌12月の2次面接を経て合格、今年5月の入社が決まった。
「入社するまでの事務連絡は、Mさんとやり取りしていました。4月2日にMさんの私用のケータイからメッセージが入り、プライベートのラインの交換を持ちかけられて……。Mさんの機嫌を損ねたくなかったので、それに応じました」
一線を…
早速、M氏から〈入社したら、お酒でも飲みにいきましょう〉とメッセージが届いた。それからも、社員寮に関する事務連絡などと併せて、〈休み取れたら、朝からず~っと会えますか?〉〈Hしてもいいですか〉といったセクハララインが送られてくる。
そして今年4月。女性はラブホテルに連れ込まれた。
「職を失いたくない私はMさんに従うしかなく、一線を越えることを受け入れてしまったのです」
それまでのやりとりで、M氏が、男性社員を退職に追いやった話など人事面での影響力を誇示していたからだ。
肉体関係を持ってからも、昼夜を問わず送られてくるセクハラライン。
「返事が遅れると、Mさんはすぐに癇癪を起こし、“採用者名簿”を写メしてきたりして、仕事上の立場を誇示するのです。私は精神的に不調を来し、Mさんからの連絡に怯えるようになりました」
6月16日、本誌(「週刊新潮」)が一連の経緯について日本製鉄に取材を申し込むと、同社はすぐさまM氏の懲戒解雇処分を発表した。とかげの尻尾切りで終わらせたいようだ。
「週刊新潮」2021年7月1日号「MONEY」欄の有料版では、被害女性の証言やセクハララインの内容を詳報する。