「五輪が開催されれば1ドルになる」金融商品の価格が上昇 トレーダーたちはほぼ「開催」と予想
テレビのワイドショーは、いまだに東京オリンピック開催の可否で盛り上がっているが、金融の世界ではとっくに結論が出ている。
ネット証券の関係者が言う。
「大手の仮想通貨取引所『FTX』に上場されている、その名も“OLY2021”という先物商品があります。トークン(仮想通貨)を売り買いする形でトレードが行われるのですが、オリンピックが開催された場合に1ドルを受け取ることができ、中止になった場合、失効して0ドルになってしまうというもの。また、実際に大会が始まっても、8月9日の時点で15個以上のメダルが選手に授与されていなければ開催と認められません」
2月に約96セントから取引が始まった「OLY2021」は、5月後半に入ってスルスルと急騰し、目下、1ドル目前の約96セント(6月22日)。トレーダーたちは、ほぼ「開催」と見ているわけだ。
それにしても、何でも賭けの対象にしてしまう英国のブックメーカーみたいな金融商品である。
シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏によると、
「『OLY2021』は、(仮想通貨の取引を支える)ブロックチェーンの技術を用いて作られています。ブロックチェーンとは、参加者全員で取引台帳を共有できる仕組み。だからこうした“胴元がいない賭博”のような金融商品の取引が可能なのです」
FTXでは他にも、トランプ前大統領が3年後のアメリカ大統領選で勝てば1ドルの価値になる金融商品も取引されている。もっともこちらの価格は低迷したままだが。