Kōki,が映画主演で女優デビュー 静香ママの緻密な計算を評価する声

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大成功は狙わない

「少ないと思います。例外的に同じ時代に出てきたのが、宮沢りえと牧瀬里穂でしょう。宮沢は三井のリハウス、牧瀬はJR東海のCMで、あっという間に人気者となり、映画で主演デビューしました。バブル期だったため素人でも冒険できたんでしょう。2人とも新人賞を総なめする勢いでした」

 素人ながらオーディションで主役を勝ち取ったのが富田靖子だ。

「新人女優を使うのが上手い大林宣彦監督が製作総指揮で、出演者は全員オーディションでした。主役に抜擢されたのが彼女で、作品の評価も高く、これ以降、立て続けに主演を張りました。所属するアミューズの一枚看板的な存在でしたが、事務所に若手女優が増えてくると、次第に活動は減っていきました」

 そして時代を遡って関根恵子(現・高橋惠子)である。

「彼女は大映最後のニューフェースでしたからね。これ以上遡ると、各社のニューフェースばかりとなるので、主演デビューした女優ももっと出てくると思います」

 現役まっただ中の浜辺は別として、現在も主役級で活躍しているのは宮沢くらいだ。前出の民放プロデューサーは言う。

「Kōki,は主演デビューと言っても、作品はホラー映画のシリーズ3作目。正直言って、ホラー映画に演技力はそんなに求められませんし、前作はコロナ禍という不幸があったにせよ、興行的には成功とは言えない。もともと大ヒットするジャンルではありませんし、話題性のあるKōki,を起用するのは映画会社にとっては渡りに船でしょう。Kōki,にすれば、感謝されることはあっても責められることはないでしょう。その一方、主演デビューという“名”を取ったのだと思います。身の程をわきまえているというか、静香ママのプロデューサーとしての目の付けどころは大したものですね」

 宮沢もかつては母親がプロデュースしていたっけ。ちなみに母・静香の映画デビュー(主役ではない)は、横山やすし主演「ビッグマグナム 黒岩先生」(85年)の生徒役だった。

デイリー新潮取材班

2021年6月23日掲載

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