小林礼奈に熊田曜子…なぜSNS「家族通信」で地雷を踏むママタレは後を絶たないのか?

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 激辛ラーメン店での退店催促騒動を起こした小林礼奈さん。夫の暴力沙汰から自身の不倫疑惑にまで発展した熊田曜子さん。いま2人のママタレが、大炎上を起こしている。すでに小林さんは店側と和解、熊田さんも双方弁護士を立てて離婚に向けて話し合っているという。しかし彼女たちに向けられる目は、なかなか厳しい。おそらくは、彼女たちのSNSの発信にいろいろと目に付く部分が多いからだろう。

 共通するのが、自身のブログやインスタでの「家族通信」を行っていたことだ。小林さんは前夫である流れ星☆・瀧上さんの養育費未払い問題をブログで暴露。瀧上さん側も娘との面会後に迎えに来ないと不満をこぼし、SNSで反論という公開夫婦ゲンカに発展していた。

 熊田さんのインスタを一躍有名にしたのも、夫への愚痴だった。大きくバツ印をつけた食事の写真に、「朝起きて一番にする家事が一口も食べてもらえなかったご飯の処理。食べるって言ったのに。このパターンもう100回は経験してるけどかなりのダメージ」と記している。さらに姑から食事に誘われて断ったところ、自身と実母にまでお叱りが来たことも明らかにしていた。

 こうした彼女たちの投稿には、賛否両論あったようである。身内のトラブルを赤裸々に明かすのは非常識では、という意見や、子どもが見たら傷つくのでは、という意見もあった。一方で、自分勝手な夫や姑との関係に悩む読者やファンからは、同情や共感の声が集まっていたようだ。いずれにせよネットニュースを席巻し、彼女たちは一躍「時の人」という扱いになったのである。

 理解のない夫や元夫、あるいは姑に振り回されながらも、幼い子どもを抱えて頑張るワーキングママ。そう聞くと、とても弱い立場でも健気な「被害者」に見える。ただ怖いのは、こうした「被害者ビジネス」は中毒性が高い上、やりすぎると仇になるということだ。SNSでこの手の失敗をするママタレが絶えないのは、承認欲求と被害者意識のバランスを間違えやすいからではないだろうか。

かつてはキンタロー。も…「子育てに頑張る私」を盾に「一般人」にケンカを売ることの怖さとリスク

 芸能人は人気商売だ。けれども知名度が今ひとつのタレントにとって、手っ取り早く注目を集められるのが「傷ついた私」発信である。同情を集めやすく、加害者へ抗議が殺到するなど「仕返し」をすることもできる。セクハラやモラハラの告発など良い例だし、実際小林さんとトラブルになったお店には、抗議もあったようである。

 SNS発信で失敗したママタレたちを見てみると、人気ランキングの常連というには少し首を傾げるタイプが多い。少し前にブログで炎上したキンタロー。さんもそうだ。彼女もまた、預け先で娘がケガをしたことへのモヤモヤをつづり、バッシングの憂き目にあった。熊田さんも過去、児童館で人数制限をされた対応をブログで書いたところ、炎上を引き起こしている。

 小林さん、熊田さん、キンタロー。さん。彼女たちに共通するのは、「子どもを守ろうとして」という正当性のもと、思ったような対応をしてくれなかった公共施設、店を非難したことである。もちろん「被害者ビジネス」のルール上、「傷ついた」「悲しかった」「子どもに悪いことしちゃった」という感情を述べるにとどめ、施設や店をあからさまに批判はしない。とはいえ、相手は一般人。どんなに子ども思いで健気な「被害者」だろうと、ママタレと比べれば一般人の発言力など無いに等しい。どっちが弱い立場かといえば、一般人ではないか。そうなると立場は逆転する。反論できない一般人を追い込む芸能人として、加害者になるのだ。被害者の顔をして同情を集めながら、実は強大な力を持っている存在。そう見えたら最後、社会は厳しい目を向ける。ママタレがSNSで地雷を踏みやすいのは、こうした逆転現象に思いが及ばないせいだろう。「子ども思いの私」を発信するために、一般人にケンカを売るリスクは相当に高いのだ。

 熊田さんは夫や姑も一般人であるが、今は夫から自身の不貞を告発される事態になっている。一般人にケンカを売るのはたやすいが、弱みを握られたらメディアに売られるのも早い。双方が被害者だと言い合う、まさに被害者ビジネスの渦中にいる熊田さん。といっても一番の被害者はお子さんであることは間違いない。早く決着がつくことを祈りたいものである。

冨士海ネコ

2021年6月23日掲載

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