A.B.C-Zの河合郁人の大ブレイク ジャニーズモノマネをする異色のジャニーズが生まれた理由
A.B.C-Zの河合郁人(33)はこの1年で最もブレイクしたジャニーズタレントといっていいだろう。昨年、モノマネ番組での準優勝を機に出演番組が急増し、タレントパワーランキングではジャニーズ急上昇部門1位。だが、その活躍に対しては「ジャニーズらしくない」といった否定的な声も存在する。なぜ、ジャニーズモノマネをする異色のジャニーズが生まれたのか。ジャニーズ入所からの22年間の歩みを、自身も“ジャニーズ大好き男子”である『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著者・霜田明寛氏が分析する。
モノマネを披露し始めたのは18歳の頃
「俺のことをよく知らなくて、“今年、急にモノマネし出したヤツ”みたいに思ってる人も多い」(「ポポロ」2021年2月号)
2020年を振り返る座談会で本人がそう語っているように、河合郁人は昨年、一気に世間的認知度を高めた。だが、現在33歳の河合がジャニーズJr.として芸能活動を始めたのは11歳だった1999年、モノマネを披露し始めたのは18歳の頃で、少なくとも“この1年のポッと出”では全くない。A.B.C-Zとしてデビューを果たしたのも2012年で、そこまでの苦労も長い。
いまや、ダウンタウンの松本人志など、ジャニーズ外の大物にも気に入られ、バラエティ番組でも多くのタレントと渡り合う河合だが、驚くことに“人見知り”だったという。
「元々人見知りも激しくて、人のダメなところを数え上げて喋らないようにしてた」(STORY2018年7月号)というから、なかなかに闇が深い。
その変化は、A.B.C-Zメンバーの塚田僚一にも2017年の時点で「河合の人見知りがだいぶなくなってきた」「5年前は楽屋でもオーラ消して、影薄かった」(「日経エンタテインメント」2017年3月号)と言われるほど。
今や「他のジャニーズがやらないジャンルの第一号になりたい」(「STORY」2020年11月号)という自身の言葉通りの世界を実現しているように見える河合だが、ジャニーズJr.になってからの22年間の芸能生活の間に、転機は何度かあったはずだ。何がきっかけで、どう変化していったのか見ていきたい。
きっかけは滝沢秀明
大きなきっかけを与えたのは、現在はジャニーズ事務所の副社長を務める滝沢秀明だ。2006年、18歳のときに、滝沢秀明の舞台に出演していた河合。かっこつけていたところ「お前はそっちじゃない」と滝沢に言われたのだという(「ダ・ヴィンチ」2016年4月号)。
5分ほどのアドリブのシーンで滝沢に「お前アドリブきかないな」と言われてショックを受けたという河合。「じゃあ笑わせるよ」と思って、次の公演で、頑張ってお客さんを笑わせたら気持ちよく「その瞬間、変わっちゃいました」という(「ダ・ヴィンチ」2016年4月号・「MYOJO」2013年7月号)。
その後も、かっこつけられるところはかっこつけていたというが、その度に滝沢秀明から「そっちじゃないでしょ、お前のよさ」と“指導”が入る。モノマネを始めるようになったのもその頃だ。
ジャニーズJr.の出演する番組「少年倶楽部」で、河合郁人がモノマネを披露したときに、嬉しそうに笑っていた滝沢秀明の姿をよく覚えている。その時点で既に、今もよくやっているモノマネ「『WISH』の嵐・松本潤のダンス」がレパートリーにあった。
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