どうしても「日韓首脳会談」をやりたい文在寅 マンガのような韓国の悪あがきに唖然
朝日新聞の報道
唖然とするほかないが、重村教授によると、これより前の4月21日にソウル中央地裁は日本政府に賠償を請求した元慰安婦らの訴えを却下していた。こちらはバイデン大統領への“お詫びの気持ち”を表現した判決だという。
慰安婦合意の交渉にバイデン大統領が関与していたのは、先にご紹介した通りだ。時の政権の意向を汲んで、韓国司法は自由自在に判決を下すらしい。重村教授は「韓国に司法権の独立など存在しないことがよく分かります。関与を疑われるため、今回は大統領府は何のコメントも出しません」と苦笑する。
更に韓国政府は“ダメ押し”を行う。G7当日の6月11日には朝日新聞が「『文大統領、菅首相と対話意思』 駐日韓国大使インタビュー」の記事を掲載した。
姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使(69)は朝日新聞の取材に対し、文大統領は菅義偉首相と《胸襟を開いて対話したいとの意思を持っている》と述べ、迫るG7サミットで《両国が会うのは常識なのではないかと思っている。日本政府には大人の対応をしてほしい》と訴えた。
「姜大使本人が朝日新聞に売り込んだと言われており、掲載日もG7が始まる当日でなく、それより前を希望したそうです。しかし首相官邸は記者に『挨拶はともかく、首脳会談はない』と漏らしていました。朝日新聞も姜大使に上手く利用されたといわれても仕方ないかもしれません」(関係者)
まさにマンガ
だが、サミットで菅首相と文大統領が挨拶を交わしたり、夕食の席で対面をしたりしたことはあったが、“略式日韓首脳会談”が開かれることはなかった。
文大統領は13日、SNSに「菅総理大臣との初めての対面は日韓関係において新たな始まりとなりうる貴重な時間だったが、会談に至らず残念に思う」(末尾:註1)と投稿した。
正攻法で“宿題”を片付けることができなかった文政権は、ここでも信じられない“奇策”を打ち出す。
「文政権は切り札として、反日カードを出しました。『日本は無礼にも首脳会談の約束を反故にした。理由は竹島問題だ』と聯合ニュースにリーク。『日本と竹島』の2つの文字が並ぶと韓国人は自然に血が頭に上り反発します。『なぜ菅首相は文大統領と会談しないのだ』と韓国世論が高まれば、菅政権も態度を変えるではないかと判断したのです」(同・重村教授)
無残な結果になったのは、冒頭でご紹介した通りだ。加藤勝信・官房長官(65)は「そのような事実は全くありません」と一蹴した。
まるでマンガのようなドタバタ劇と言わざるを得ないわけだが、日本側は文政権に対して一定の距離を取っていることも浮かび上がる。
日本の外交姿勢
「韓国の不当な『実務レベル合意』の韓国的論理に動かされない、正しい外交姿勢ですが、日本も甘くみられたもので、公式に嘘をつかれたのだから大使追放か大使召喚が妥当で、事実なら外務省の課長も処分しないとおかしいでしょう」(同・重村教授)
文大統領の現状は、文字通りレームダックと韓国国内でも言われているという。
「文政権の現状はレームダックと言われても仕方ないものです。次期大統領選では保守派野党の候補が勝利する可能性も指摘されています。菅政権がG7サミットで日韓首脳会談の開催に応じなかったのは賢明な判断ですし、今後も距離を取り続けるべきだと思います。次の政権と話し合う日本のスタンスをアメリカも理解しているでしょう」(同・重村教授)
註1:NHK NEWSWEB「G7サミット 韓国大統領『菅首相と会談に至らず残念』」(6月14日)より
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