どうしても「日韓首脳会談」をやりたい文在寅 マンガのような韓国の悪あがきに唖然

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二階幹事長の“出現”

 今年1月以降、文政権の動向を伝える報道を改めて振り返ってみると、アメリカから提出された“宿題”を終わらせようと懸命な姿が浮かび上がってくる。

 まず文大統領は1月18日の新年記者会見で、直前の元慰安婦勝訴の判決に「困惑している」と発言。元徴用工訴訟には、日本企業の韓国内資産を売却する現金化を「望ましいとは思わない」と、以前とは180度逆の発言を恥ずかしげもなく述べた。

 この発言は韓国国内で波紋を呼んだ。毎日新聞は1月20日の朝刊に「文・韓国大統領:五輪前、首脳会談模索 韓国大統領 対日路線転換か」との記事を掲載し、以下のように解説した。

《韓国政府関係者によると、文氏の念頭にあるのは北朝鮮との関係改善だ。文氏には東京オリンピック・パラリンピック前に菅義偉首相との会談を実現し、日本政府と協力して、東京五輪に北朝鮮政府の高官を招く調整をしたいという思惑があるという》

 次に5月13日、NHKは「首相が韓国・国家情報院長と会談 日韓首脳会談を行うべきだという考え伝える」との記事を報じた。

 記事の冒頭は、《菅総理大臣が、きのう、韓国の情報当局のトップ、パク・チウォン国家情報院長と会談していたことが分かりました》というものだ。

NHKにリーク

 朴智元(パク・チウォン)国家情報院長(79)は、の金大中(キム・デジュン)元大統領(1925〜2009)の最側近だったことで知られる政治家だ。

 NHKの記事で興味深いのは、朴院長が自民党の二階俊博幹事長(82)とも電話で会談を行ったと伝えた点だ。

「ご存知の通り、二階幹事長は菅政権の“生みの親”で、朴国家情報院長は親友といわれています。朴院長は何としてでも日韓首脳会談の意向を伝え成果を上げようと、二階幹事長に首相との会見をお願いしていたことが垣間見えます。しかし、もちろんこれは『実務レベル合意』ではありません」(同・重村教授)

 重村教授によると、このNHKの報道も韓国側か二階幹事長側のリークである可能性があるという。情報機関の責任者については動向を発表しないのが国際慣例であり、日本政府は面会の事実を明らかにしなかったからだ。

「朴院長は諜報機関のトップですから、本来は会合のスケジュールなどを表に出してはいけません。事実、日本側は沈黙を守りました。朴院長がリークしたならば、日韓首脳会談の気運醸成と成果誇示を狙ったのでしょう。何とも韓国的だと言わざるを得ません」

“土産物”の判決

 そして韓国は思い切った、いや、日本人にとっては信じられない“奇策”を繰り出す。

 G7コーンウォールサミットは6月11日から開催されることが決まり、菅首相は10日に日本を発つことが発表された。韓国も招待されており、とうとうアメリカの“宿題”を解決するチャンスが到来したことになる。

 折しも韓国では10日、元徴用工訴訟を巡って、ソウル中央地裁が判決を下す予定になっていた(当初は11日)。遺族など85人が日本企業16社を相手取って慰謝料などを求めた裁判で、大きな注目を集めていた。

 ところが聯合ニュースなど韓国のメディアは7日、「判決が突然、今日の7日に変更された」と報じた。

 ソウル地裁は、原告の訴えを却下。門前払いという判決内容だった。これに聯合ニュースは「韓国地裁 慰安婦訴訟に続き強制徴用でも異なる判断=韓日関係考慮か」の記事で、《韓国の司法当局が韓日関係を考慮した判断を示した》と指摘した。

「文政権はソウル地裁に日本側が勝訴する判決を求めたのです。更に菅首相の離日が10日なのを知って、日本政府の『首脳会談しない』方針を変えさせようと、更に判決を7日に前倒しさせました。菅首相に考え直せる時間を与え、G7で菅首相と文大統領が立ち話の『略式首脳会談』でもできるよう、いわば判決を“土産物”にしようとしたのです。これが『実務レベル合意』の真実でしょう」(同・重村氏)

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