侍ジャパン、東京五輪内定者が決定…「4/178人」という厳しすぎる現実
東京五輪で悲願の金メダルを目指している、野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督が6月16日、都内で会見し、24人の代表内定者を発表した。今季から大リーグから楽天に復帰した田中将大をはじめ、平良海馬(西武)や森下暢仁、栗林良吏(いずれも広島)、青柳晃洋、岩崎優(いずれも阪神)、栗原陵矢(ソフトバンク)などフレッシュな顔ぶれも目立つ。
新型コロナウイルスの影響で東京五輪の開催が危ぶまれているが、やはり、『侍ジャパン』が世界の強敵を渡り合う姿を見たいというのがファンの心理だろう。サッカーなどと比べると国際大会、日本代表という意識が薄かった日本球界だが、2011年秋に「侍ジャパン」という呼称で代表チームを常設化することが決まると、アマチュアや育成年代もトップチームと同じユニフォームを使用することとなり、各年代で代表チームの存在感が徐々に増してきている。
日の丸を背負った経験
現在トップチーム以外には社会人、大学、U18、U15、U12の各チームが定期的に召集されており、過去には年代別の大会でU23とU21の代表チームが編成されることもあった。そこで今回は、現役のプロ野球選手で、アマチュア時代に日の丸を背負って戦った経験している選手がどれだけいるのか、延べ178人をピックアップしてみた。
なお、対象は「侍ジャパン」の呼称で、全世代が統一された2014年以降に編成されたチームに限定している。各カテゴリーで集計すると、以下のような数字になっている。
・社会人日本代表経験者:31人
・大学日本代表経験者:72人
・U18代表経験選手:57人
・U15代表経験選手:17人
・U12代表経験選手:1人
※記事末尾に選手名を記載
まず、各年代で最も経験者が多いのが大学日本代表で72人となった。4年間という長い期間があり、下級生の頃から代表に名を連ねる選手が一定数いるということが影響していると言えるだろう。今年ドラフト1位でプロ入りした佐藤輝明(阪神)と伊藤大海(日本ハム)は2年時に代表入りを果たしている。
一方の社会人は大学と比べて半数以下となる31人という数字となった。国際大会での勝利のためには、将来性よりも現在の実力を優先する必要があり、ドラフト対象と言える年齢を過ぎた20代後半や30代のベテラン選手も多く代表に選ばれている結果がこの数字に表れていると言えそうだ。
U18は大学に次いで多い57人となったが、日程の都合もあってどうしても甲子園出場経験のある選手が多くなる傾向にある。チーム数が大学、社会人と比べても格段に多く、代表選手を選出する側のスタッフが候補となる選手をくまなく視察することは難しいのが現状だが、もう少し全国から有望な選手の情報を上手く吸い上げる仕組みを作れば、プロ入りする選手が増える可能性は高いだろう。
高校より下の年代ではU15代表経験者が17人。そして昨年のドラフトで6位で指名された嘉手苅浩太(ヤクルト)が初のU12代表経験者のプロ入りとなった。この年代は将来の成長を見越しての選抜は難しいが、今後も増加が期待できそうだ。
そして、複数の年代にまたがって代表経験のある選手を調べると、以下の14人が該当した。
・大学代表&社会人代表経験選手:3人
田中俊太(DeNA)、福田周平(オリックス)、藤岡裕大(ロッテ)
・U18代表&大学代表経験選手:6人
小島和哉(ロッテ)、森下暢仁(広島)、勝俣翔貴(オリックス)、郡司裕也(中日)、宇草孔基(広島)、早川隆久(楽天)
・U15代表&U18代表経験選手:4人
藤平尚真(楽天)、増田珠(ソフトバンク)、小園海斗(広島)、宮城大弥(オリックス)
・U15代表&大学代表経験選手:1人
古川裕大(日本ハム)
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