河井克行元法相に実刑3年「議員辞職」や「涙の謝罪」を裁判所に完全スルーされたワケ

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判決でまったく考慮されなかった情状

 だが判決では、涙の謝罪も、議員辞職についても、一行たりとも触れられなかった。

「身柄拘束期間中に受け取っていた歳費の大半にあたる700万円を国庫に返還できない代わりに、日本児童養護施設財団に寄付していることについて触れはしたものの、『刑を減ずべき事情とはしない』とピシャリ。まったくと言っていいほど、情状面が汲まれていないドライな内容でした。もっとも、初公判で無罪を主張した時点で実刑判決を覚悟すべきであり、あれだけ公判が進んだ段階でいきなり認めたとしても遅きに失していたということでしょう。しかも、苦しい言い訳は最後まで変わらなかった。本当に案里元議員が当選すると思っていたならば、こんな大勢にカネをばらまく必要などない。言っていることとやっていることは、まったく一致しないのです」

 結局、裁判では自民党から渡った1億5000万円が買収資金に使われたかどうかは明らかにされずじまい。河井被告は「買収資金はポケットマネー」と終始主張した。

 弁護側は即日控訴し、河井被告は即日収監された。今年3月に保釈されてからは、案里元議員と都内の自宅で暮らし続けていたという。「万死に値する」と一度口にしたのだから、懲役3年くらい受け入れてもいいものだが……。

デイリー新潮取材班

2021年6月19日掲載

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