ひろゆき氏はなぜ注目されるのか 20年前、実家の散らかり放題の部屋に住んでいた頃
2ちゃんねるの創設者・ひろゆきこと西村博之氏(44)がにわかに注目を浴びている。現在、Twitterのフォロワーは116万5000人、YouTubeの“ひろゆき, hiroyuki”チャンネル登録者は102万人、ネットニュースでは彼のコメントがたびたび取り上げられている。かつては多数の訴訟を抱えて、賠償金を支払わないなどトラブルメーカーのイメージもあったが、今や“論破王”として持て囃されているのはなぜなのか?
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【写真4枚】実家の“散らかり放題の部屋”に住んでいた頃のひろゆき氏
そもそもひろゆきとは何者なのか、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)を知らない若い方のためにも、本人の著書から自己紹介してもらおう。
《僕は1976年に生まれました。出身は東京の北区赤羽です。小学生のころに親から誕生日プレゼントでパソコンを買ってもらったことから、自分でプログラミングをして簡単なゲームをつくって遊ぶようになりました。そのあと、大学在学中にこのスキルを使ってホームページをつくる会社を立ち上げます。そして「プログラミングができると、食いっぱぐれることはない」と実感します。この「プログラミングという武器がある」というのは、僕の重要な要素の1つです。/その後、学生時代に交通事故にあって、その慰謝料でアメリカに留学します。そして渡米中の1999年、「2ちゃんねる」というインターネット上の匿名掲示板を開設しました。当時はまだ、フェイスブックやツイッターといったSNSがなかった時代ですから、誰でも自由に匿名で書き込んで好き勝手なことを言い合える場がありがたがられたんですね。/そのあとも、日本最大級の動画配信サービスである「ニコニコ動画」のサービスを、その運営元である株式会社ニワンゴ(その後ドワンゴに吸収合併)に取締役管理人として入るかたちで開始しました。要は、実業家になったんです》ひろゆき著「ラクしてうまくいく生き方」(きずな出版)より
パリ在住の論破王に
09年に2チャンネルの譲渡を発表し、現在はフランス・パリに在住している。15年から英語圏最大の匿名掲示板「4chan」管理人となり、新サービス「ペンギン村」の管理人などを務めている。そんな彼がなぜ人気に? 民放プロデューサーが言う。
「きっかけは朝の情報番組『グッとラック!』(TBS)だったと思います。低視聴率のため、わずか1年半で打ち切られてしまいましたが、彼はコメンテーターとして週1回、パリからリモートで出演しました。MCの立川志らくさんも、彼のコメントに好感を持っていたようです。番組終了の半年前にリニューアルされ、橋下徹さんやロンブーの田村淳さんなどが加わった時も、彼はそのまま残り、最後までレギュラーを務めました」
志らくは番組終了が決まった際、Twitterでこう呟いている。
《グッとラック終了で寂しい事のひとつにひろゆきさんと絡めないこと。ひろゆきさんと志らくとそして本当はコメンテーターで呼びたかったとくダネの古市さんとの時事法談的番組やりたいなあ。司会は辛坊さん。めちゃくちゃな番組になる。》(原文ママ)
「ひろゆき氏は理路整然と相手の言質を取り、矛盾を突いたりすることで“論破王”と呼ばれるようになりました。もちろんアンチもいますが、コメントの切り口が個性的で、言葉に説得力があり、博識さを感じる人も多い。いわゆる“信者”が増えたのだと思います。彼は今『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)に出演していますが、『グッとラック!』を見た番組スタッフがオファーしたのでしょう」
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