北川景子は日テレのドラマと相性抜群 評価は高かったのに数字が伸びなかった作品は?

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夫DAIGOと出会った作品だが…

 ここからはワースト3を紹介しよう。まず第3位は北川が連ドラの初主演をつとめた記念すべき作品で、07年10月クールの「モップガール」(テレビ朝日系)である。

 加藤実秋の同名小説が原作で、演じるのはウェディングプランナーから葬儀部門の特殊清掃課に左遷させられた長谷川桃子。彼女は遺品に触れると時間を遡る“タイムリープ”という能力を身につけ、戸惑いながらも死ぬ運命にある人を助けるために奔走する。

 本作は原作との相違点がかなりある。大きく変更されたのがヒロイン・桃子の持つ能力だ。原作では死者が残した念やメッセージを感じ取る設定で、死者を救うのではなく、死の真相究明に当たるストーリーだ。ドラマでのタイムリープ能力で死者を救うという流れは03〜05年にかけてアメリカで放送された「トゥルー・コーリング」というドラマと類似していた。もっとも、金曜23時台という時間帯にも関わらず、平均視聴率10.2%を獲得。ワースト3でも二桁をマークしている点はさすがだ。

 第2位は11年1月クールの「LADY~最後の犯罪プロファイル~」(TBS系)だ。警視庁捜査一課犯罪行動分析室に勤務する捜査官たちの活躍を描く警察ドラマで、北川が演じたのは新人プロファイラーの香月翔子。協調性に乏しく周囲には高圧的な態度で臨むものの、根は他人思いの優しい性格という難しい役どころであった。

 北側にとってゴールデンタイムの連ドラ初主演作であり、夫であるDAIGOとの出会いとなった作品なのだが、平均視聴率は9.4%と二桁割れ。各話のゲストが素晴らしく、猟奇的な犯人を演じる俳優たちの実力が感じられたものの、途中からストーリーが失速気味になってしまった感があったのが視聴率に響いたのかもしれない。

 ワースト1の作品は15年7月クールに放送された「探偵の探偵」で、平均視聴率は8.1%。フジ系の連ドラ初主演作だった。妹をストーカーに惨殺された過去を持つ女探偵が、妹の死に関係した探偵業者を見つけ出すために“探偵を探偵”するというストーリーだ。北川が演じた主人公・紗崎玲奈は物憂げな表情と冷ややかな態度、すわった目つきが特徴で、滅多に笑わないうえ、無駄口も叩かない超クールな役柄であった。

 本格アクションにも初挑戦し、本作で第1回コンフィデンスアワード・ドラマ賞主演女優賞を受賞したほどの力作。にも関わらず数字が伸び悩んだのには、あまりにも“シリアス”で“バイオレンス”すぎる展開が観る人を選んでしまったためだと思われる。それでも北川景子のカッコよさと切なさの両方を堪能できる貴重な作品で、ハマリ役であった。特に最終回での真犯人との対決シーンの演技は鳥肌もので必見である。

 結果的に二ケタを割った連ドラ主演作は2本のみ。一方、上位3作品はすべて日本テレビ系のドラマであった。「リコカツ」は果たして……。

上杉純也

デイリー新潮取材班編集

2021年6月18日掲載

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