「世間知らずの王族」をしゃぶり尽くした天才音楽家の“手練手管”

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 古今東西、王室の財産を狙って、「世間知らずな王族」を籠絡しようとする輩は後を絶たない。「傾国の美女」という言葉があるが、もちろん男の「たかり屋」だっている。また、必ずしも男女の組み合わせとも限らない。

「狂王」の異名を持つバイエルン国王ルートヴィヒ2世は、同性愛的指向を持つ一方で、芸術をこよなく愛し、天才音楽家ワーグナーに湯水のごとく金銭を貢いだことで知られている。

 大阪大学名誉教授の猪木武徳さんの新刊『社会思想としてのクラシック音楽』の一部を再編集して、ワーグナーの「たかり屋」としての手練手管をご紹介しよう。...

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