全米女子オープン、日本人勝負は笹生に軍配 畑岡の敗因は?

スポーツ

  • ブックマーク

 日本人同士のV争い――そんな煽り文句が躍った今年の全米女子オープン中継。笹生優花(19)と畑岡奈紗(22)によるプレーオフに、どちらを応援したらいいのやら……とお茶の間は嬉しい悲鳴をあげた。もっとも、

「日本人の父とフィリピン人の母を持つ笹生は現在、二重国籍状態なんです」

 とゴルフ記者が明かす。

「東京五輪はフィリピン代表として出場が確実です」

 現地中継のスコアボードでも、笹生の名の横には、日の丸ではなく、フィリピン国旗が記されていた。

 結果は、プレーオフ3ホール目に笹生がバーディを奪って勝負あり。授賞セレモニーで司会者は笹生を“フィリピンから初の優勝者”と称えた。

 一方、現地では“フィリピン人”に敗れた日本人ということになっていた畑岡は、試合後のインタビューで、ある場面を振り返り、

「止まった場所がアンラッキーだった」

 と臍を噛んだ。

 それは最終日17番パー5の第2打のこと。2オンを狙うも届かず、ボールはグリーン手前のバンカーの縁の深いラフに留まった。

「第3打は、ゴンと強打しないとラフから出ない。しかも傾斜がきつく、前屈みの難しいショットでした」

 とゴルフジャーナリストの舩越園子氏が語る。

「むしろあと一転がりしてバンカーに入ってくれた方が、スピンを掛けられて打ちやすかったでしょう」

 結局、3打目はピンを10メートルもオーバー。なんとかパーで凌いだものの、“あと一転がり”でバーディ、ひいては優勝がありえただけに不運というほかない。

「メジャーで勝つには運も必要。マスターズで勝った松山英樹選手もそうでした。でも、今回の畑岡選手にはそれがなかった」(同)

 18年全米女子プロもプレーオフで散った畑岡は、19年全英で同い年の渋野日向子に先を越され、今回は後輩の笹生にサシで敗れた。

 次のメジャーは今月24日から始まる全米女子プロ。今度こそグッドラック!

週刊新潮 2021年6月17日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。