「女性宮家」発案の上皇陛下、議論に消極的に? 小室圭さんの存在が「防波堤」か
令和皇室の「トラウマ」に
今回の有識者会議では、まさしく幅広い世代からヒアリングを実施。そこでは女性天皇のみならず女系天皇を容認、あるいは肯定する意見も目立った。が、一方で女系天皇の是非を論じる際には、小室さんという“実例”が否応なく脳裏をよぎることだろう。女性宮家に反対する保守派は従来、その理由を「女性・女系天皇への道を開くことになる」と説いてきた。今回の有識者会議でも、たとえば5月31日の第4回ヒアリングに出席した曽根香奈子・日本青年会議所監事は、
〈女系天皇と言われるものが誕生すれば新たな王朝を開くこととなり、日本の歴史が終わる〉
などと反対意見を述べている。小室さんが先々、女性宮家の当主となられる眞子さまの配偶者となれば「圭殿下」が誕生し、さらに将来“小室さん的な男性”が女性皇族に近づいて婚姻に至れば、皇統がその男性に移ってしまう可能性もある。そうした女系天皇容認への気運は、皮肉にも小室さん自ら「防波堤」となってせき止めているというわけだ。
4月8日のヒアリングで、小室さんを念頭に置いて女性宮家の問題点に言及した麗澤大学の八木秀次教授は、
「もし女系継承、あるいは女性宮家の創設という結論が導かれた場合、当然ではありますが小室さんがその“構想”の中に入ることになります」
としながら、以下のように指摘するのだ。
「眞子内親王殿下との間に生まれたお子さまが、皇位継承権を有するにとどまらず、場合によっては天皇に即位する可能性もあるわけです。小室さんのような民間人が天皇の父親になったケースは、日本の歴史では皆無です。今回の人選をみると、皇室の問題に長年取り組んでこられたわけではない“素人”の方が多い。そういう方々の意見を、一体どう取りまとめるのか。政府は、着地点が見えていないのではないでしょうか」
皇室制度に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授も、こう言う。
「ヒアリングの対象者は、皇室制度の専門家でも専門外の方々でもよいと思います。ただ、どちらかで一貫して人選を行うべきでした。この点から、今回の会議は中途半端に終わってしまったと言わざるを得ません」
その上で、渦中の眞子さまについては、
「もしご結婚で皇籍離脱されるのならば、取り得る制度上の選択肢はそう残されていません。ご姉妹でお立場が異なるのは避けるべきで、佳子さまも眞子さまに準じざるを得ず、必然的にご姉妹とも皇室を離れることになるはずです。ともあれ、令和の皇室にとって眞子さまの結婚問題はトラウマのように残り続けることでしょう。このままでは、後に続く佳子さまや愛子さまのご結婚は、さぞ窮屈なものになると思われます。少なくとも4年前、メディアが小室さんの存在を大々的に報じて祝福ムード一色となったような事態は、およそ考えられません」
一組のカップルが、皇室からじわじわと民心を引き剥がしつつあるのだ。
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