「大豆田とわ子と三人の元夫」 今夜最終回の見どころをおさらいする

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大人たちを一番俯瞰して

 シニカルでそこはかとなく意地悪な言葉数がいちいち多い登場人物たちの会話劇に、くすっと笑ったり、膝を打って同意したり、想定外の展開で呼吸が一瞬止まったりと、まあとにかく忙しくて楽しかった「大豆田とわ子と三人の元夫」(火曜22時~、フジ系)。今夜最終回を迎えるこのドラマを愛するウォッチャーによる「見どころ」。(この後は、これまでのストーリーに触れています)

 あちこちで原稿を書いたけれど、こんなにネタが尽きないドラマはそうそうない。

 もはや概要を逐一説明する段階でもないし、好きなセリフを書き出したら1冊の本になりそうなので、ある程度焦点を絞らねば。松たか子が演じる大豆田とわ子が最高の好物なのだが、劇中で「愛おしいなぁ、幸せになってほしいなぁ」と思った人物に触れておく。

 まず、とわ子の娘の唄ちゃん。演じるのは子役の大ベテラン・豊嶋花。数えきれないほどの作品に出ているが、朝ドラ「ごちそうさん」のヒロイン・卯野め以子(メインは杏)の幼少期が有名かな。すっかりおとなびた豊嶋が、面倒臭い大人たちをさりげなくつなげる重要な役を担う。

 自分の父親(一番目の元夫・松田龍平が演じる田中八作)を含め、元夫3人を実にクールに転がす。成績優秀で医師を目指していたはずだが、ある日突然、勉強をしなくなる。そして「3年後に結婚してこの家を出る」と宣言。どうやらお金持ちの西園寺君と付き合っているようで、勉強よりもメークに勤しみ始める。

 そして自らの意志で祖父の家へ移り住むことを決意する。このままでは母親に甘えた子になってしまう、もっと自分に厳しくありたいから。要は「母断ち」。ただし、「勘違いしないで。ママがちゃんと育ててくれたから、私は自立しようと思ったの」と母の存在にちゃんと敬意を払う。

 とわ子を含めた大人たちを一番俯瞰しているのが唄ちゃんではなかろうか。とわ子が会社の買収問題で頭を悩ませているとき、そっと寄り添う優しさもある。学校の教師からは「協調性に欠ける」と言われてしまうが、おそらく達観しているだけだ。達観した子を教師は嫌うからな。

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