ワクチン接種会場のお仕事 医師「日給10万円」、看護師「時給2000円」は高いか安いか

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打ち手が安すぎる

 日給10万円は高いのだろうか、それとも安いのだろうか。

「コロナワクチンは初めてですので、比較できる対象がないので何とも……。ただ、インフルエンザワクチンが通常ですと1日7~8万円ですから、それよりは高いと言えるかもしれません。ワクチン接種と一口に言っても、その前に予診、問診をして、接種後には被接種者の容体を観察しなければなりません。ドクターは専門職ですし、日給10万円も決して高くはないと考えています」

 政府は追加支援費用で、ワクチン接種1回当たり最大で5070円と発表した。それを考慮すると日給10万円は、むしろ安いのではないか。

「政府の支援はあくまで個別接種、診療所などで接種した場合の対価です。勤務医の先生方には当てはまらないと思います」

 政府が発表した追加支援には偏りがあるようだ。

「開業医の先生もワクチン接種ばかりで、かかりつけの患者さんを無視するわけにもいきません。限られた時間でどちらもやっていただけるよう、お金を出しているのだと思います。それに政府の支援費用の最大5070円は、あくまで接種に対してです。分業化された大規模接種会場の場合、ドクターは予診、問診のみで、打ち手は看護師になります」

 そうだったのか。

「ドクター1名に対し、看護師は2~3名が必要とされています。ファイザーワクチンの場合、温度管理もありますし、仕事が多いんです」

 医師と看護師、足りないのはどちらだろうか。

「私どもの感覚としては、看護師のほうですね。特に政府が『高齢者接種を7月末までに終える』と目標を早めたことで、自治体もそれまでのペースを速めて私どもに依頼されることが増えたようです」

 それにしては、自治体の求人を見てみると、看護師は時給2000~3000円が多い。医師に比べ安くはないか。

「医師が高いのは、持病をお持ちだったり、当日の体調などを予診、問診して判断するのはドクターにしかできませんし、責任が重いからです。もちろん、打ち手となる看護師の待遇はもっと上げていいと思います」

デイリー新潮取材班

2021年6月11日掲載

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