ワクチン接種会場のお仕事 医師「日給10万円」、看護師「時給2000円」は高いか安いか

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 5月末、新聞のある人材募集の広告を発見した。「ワクチン接種会場のお仕事」だったが、日給10万~13万円とあるではないか。もちろん打ち手となる医師への報酬である。政府は“1日100万回”のワクチン接種を掲げているとはいえ、このギャラ、高いのか安いのか。

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 日給10万円と聞くと、なんだか景気のいい話のように感じる。

 とはいえ5月25日、加藤勝信官房長官は記者会見で、それまでワクチン接種1回あたり2070円だった支援費用の上乗せを発表している。7月末まで4週間以上の接種することを条件に、週100回以上なら、1回あたりプラス2000円の4070円に。週150回以上であれば、プラス3000円の5070円を支給するという。

 ワクチン接種会場の規模にもよるだろうが、接種希望者さえいれば、1人で1日100人程度の接種は可能と言われる。となると、最大で1日50万7000円となる計算だ。

 にもかかわらず、日給10万円とは……派遣業者はかなり儲けているということなのだろうか。件の広告を出したのは医療系の派遣業者だった。問い合わせたが返答がない。同様にワクチン接種日給10万円といった求人をしているMRT株式会社に聞いてみた。

6月末までに8000件の求人

「はじめに申し上げておきますと、私どもは人材派遣会社ではありません。医療従事者を雇って派遣することは基本的に禁止されているからです。正式には有料職業紹介事業と言いまして、人材を依頼主にご紹介することで手数料を頂戴しているわけです」

 いわゆる、中間搾取をしているわけではないのだ。

「通常は、勤務医の先生などが休日を利用した健康診断、別の病院の当直などの仕事を請け負っています。今回は、コロナ禍によるワクチンの接種人材の不足を考える自治体の依頼を受けた医療機関からの委託を受けて、求人広告を出しています。ですから私どもは自治体などから手数料を頂戴しているんです」

 国からの委託はないのだろうか?

「今のところありません。現在は14の自治体と取引させていただいており、5月末までに延べ2500件、6月末までに延べ8000件の求人があります」

 これまで応募した医師はどのくらいいるのだろうか。

「多くの先生から申し込みを受けています。やはり勤務医の方が多いですね」

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