ステマ疑惑のフジ女子アナに深夜飲酒デートの鷲見玲奈アナ…「インスタで謝罪」が加速するワケ

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 美容院のステルスマーケティング関与疑惑に深夜の飲み歩き。どこの輩の話かと思うが、人気女子アナの話だというから時代は変わったものである。フジテレビの三田友梨佳アナに宮澤智アナ、堤礼実アナなどの人気アナたちによるステマ疑惑。代金を無料にしてもらう代わりに美容院のSNSに宣伝協力をしたとして、「社員就業規則に抵触する行為が認められた」とフジテレビも発表。中でも「めざましテレビ」の顔に抜擢されたばかりの井上清華アナが受けた無料サービスは、総額で90万円近くに上るという。一方、緊急事態宣言下での深夜のほろ酔いデートが撮られたのはフリーの鷲見玲奈アナ。20時を過ぎてもお酒を含めた飲食をしていたと報じられている。もともと不倫疑惑のゴタゴタで退社したような過去があっただけに、いろいろとだらしない女性だという印象が強まってしまったようだ。

 朝のワイドショーからバラエティまで出ずっぱりの彼女たちだが、釈明の場に選んだのは自分のインスタ。鷲見アナや堤アナは真っ白の背景、三上真奈アナや久慈暁子アナは花の写真で言葉少なに謝罪文を掲載している。いずれも何に対しての謝罪かは濁しており、「今回のこと」「一部の報道」といった文言にとどめている。唯一、三田アナだけが「美容室SNSにおける写真掲載について」と明確に書き、報道番組のキャスターとしての意地を見せた。おそらく会社側からは、下手に書くとボロが出るので「定型文」を推奨されていたはずだ。ただ物言う女子アナとして報道番組で重宝されてきたミタパンにとって、それでは視聴者が納得しないことをわかっていたのだと思う。

 こうした「インスタ謝罪」には批判の声も上がった。プライベートのことなのでSNSで済ませるというスタンスなのだろうが、芸能人との交際発覚や結婚報告といったプライベートはテレビで話すのに。そんなダブルスタンダードに不満を持つ視聴者も多かったようだ。

 ただ、フェイクニュース対策という点もあるだろう。メディアでの発言だと、あとで切り貼りされてとんでもない内容にされてしまうリスクがある。特に今回は法律違反などではなく、本人たちのモラルの問題だ。下手にコメントを出す方が、いろいろと炎上する可能性は高かった。噛みつくスキを待っているアンチに餌をくれてやる義理はないが、ファンには誠意を見せなくてはならない。だから個人のSNSで幕引きを図る。いずれにしろ時間差でネットニュースになり、多くの人の目に触れることになるので会社としても手間は省ける。批判は多いものの、発信する側にとってはメリットの多い「インスタ謝罪」。おそらくこれからも「続きはウェブで」ならぬ「謝罪はインスタで」が主流になっていくと思うのである。

真面目なアナが損をする女子アナ界…脇の甘いタレントにとって好都合な「インスタ謝罪」

 インスタ謝罪で思い出すのが、2年前のタピオカ騒動時の木下優樹菜さんだ。彼女も女子アナたちと同様、明確な背景には触れず、「私の自己中心的な発言」の謝罪という形をとっている。

 そうか、女子アナたちのお手本はユッキーナだったのか。清廉性が問われる女子アナと、裁判沙汰になるタレントとの距離は遠いように見える。でも、その戦略は正しい。なぜならお騒がせな女子アナほど、知名度を稼げてしまう皮肉な実情があるからだ。

 アナウンサーはきちんと原稿が読めるだけでいい、とよく言われるが、そういう女子アナが人気を獲得することはなかなかない。社会人としてNGかもしれないが、業界人としては「おいしい」言動をする女子アナほど、顔と名前を売っていく。アンチも含めて注目されるから、良くも悪くも数字を持っていると重宝されてしまうのだ。フジの女子アナにしろ鷲見アナにしろ、バラエティが主戦場。今回の一件で報道人としてはいかがなものかと言われても、正直痛くもかゆくもないだろう。ちょっとスネに傷を持つタレントの方が、共感や親しみを覚えてもらえることもある。

 女子アナに限らず芸能界は、「悪名は無名に勝る」を地でいくもの。真面目に謝罪するより、ちょっと世間をモヤッとさせておく方が話題は引っぱれる。名前は売りたいが、どうにも脇の甘いタレントや女子アナにとって、インスタ謝罪はうってつけのツールだ。クローズドな場所で、ぼやっとした文章を書いていっちょあがり。でも黒歴史として残らないように、明確な理由は絶対に書かない。そうしたやり方にいちいち葛藤しないような図太さのある人たちが、芸能界で成功していくのだろう。私たちはインスタ謝罪にモヤモヤするたび、自分たちの一般人としての器を噛み締めるしかないのかもしれない。

冨士海ネコ

2021年6月10日掲載

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