「松山英樹」の恩師が銀座高級クラブで豪遊 4400万円の交際費を巡り詐欺で書類送検
「仙台北署から…」
確かに理事長も学長も曹洞宗の住職である。努力が功を奏したのか、阿部監督は学内でも「出世」を遂げていた。
「昨年4月には総務部長よりも上位の学長室長に就いています。さらに特任准教授から特任教授へと昇進し、今年の4月に法人本部統括部長という役職にも就任。関連の医療法人などのまとめ役となった。一介のゴルフ部監督が完全に学内を掌握しつつあるのです」(同)
接待を繰り返して宗門と良い関係を築いてきたものの、トラブルは万事解決、とはいかなかった。
「今年になって仙台北署から問い合わせがありました」
と囁くのは、阿部監督が通う都内高級クラブ関係者。
「警察の方が聞いてきたのは、阿部さんが飲みに来た日付と金額、何人で飲みに来たか、ということでした。明らかに阿部さんに関する捜査という感じでしたね」
また、別の大学関係者の元にも警察からの電話があったという。なぜ警察は阿部監督を捜査しているのか。
事情を知るもう一人の大学関係者が明かす。
「実はこの多額の交際費を問題視した大学の元教員が宮城県警捜査2課に刑事告発したんです。罪名は詐欺でした」
捜査関係者が言葉を継ぐ。
「接待といいながら、実態は自身の遊興だったと見られ、同席していない人物の名を精算伝票に記入するなど、大学の経理を欺いた疑いがあった。告発は受理され、東北福祉大が管内にある仙台北署に拠点を設け、捜査してきました。すでに3月に書類送検されており、いまは検察で捜査が行われているところです」
さて、刑事告発や書類送検の経緯を阿部監督に尋ねようとするも、こちらからの連絡は一切黙殺。代わって東北福祉大の総務部は、
「承知しておりません」
との回答。
元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏が解説する。
「起訴または不起訴の判断がされるまでの期間はケースバイケースです。犯罪成立の可能性がある事案だと1年以上かかることもあります。詐欺の時効は7年なので、22年度までは猶予があることになります」