プロ選手を多数輩出!知名度は低くても、大学野球で存在感を示す地方大学
頭一つ抜けた実績の東北福祉大
今月7日に2年ぶりに開幕した全日本大学野球選手権。全国のリーグ戦を勝ち抜いた27のチームが集う「大学野球の甲子園」のような大会だ。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止になったが、一昨年は森下暢仁(広島)を擁する明治大が6度目の優勝を飾っている。
【写真】内野と外野をこなす富士大・山城響。佐藤と並ぶドラフト候補だ
過去の優勝チームを連盟別に振り返ってみると、東京六大学野球が26回、東都大学野球が24回と拮抗しており、次いで関西学生野球が6回、首都大学野球が4回と続いている。
地方の大学では、佐々木主浩(元横浜)、金本知憲(元阪神)、矢野燿大(阪神監督)をはじめ、数々の名選手を輩出した東北福祉大(仙台六大学野球連盟)が優勝3回、準優勝5回と頭一つ抜けた実績を残しているが、近年は他にもメキメキと力をつけているチームは少なくない。今回はそんな一般的な知名度は高くないものの、大学野球で存在感を示している大学を取り上げたい。
山川穂高らを輩出した富士大
ここ数年で、一気に全国大会の常連となったのが富士大(北東北大学野球連盟)だ。大学名から静岡にあると勘違いされることが多いが、大学の所在地は岩手県花巻市である。その名が一躍全国に鳴り響いたのは2009年のこと。エース・守安玲緒(三菱重工WEST)の大活躍で、全国の強豪を次々と撃破。北東北大学野球連盟の代表として、初となる準優勝を成し遂げた。
チームは14年春からはリーグ戦で10季連続優勝を達成。中村恭平(広島)、山川穂高、外崎修汰、多和田真三郎(いずれも西武)、小野泰己(阪神)など多くの選手を輩出している。
今年のチームは、佐藤龍世(西武)の弟で捕手の佐藤大雅、内野と外野をこなす山城響がドラフト候補として注目されているほか、春のリーグ戦で完全試合を達成した3年生エースの金村尚真といった楽しみな選手が多い。今年も大学選手権の切符を手にして、さらなるチームの躍進が期待されている。
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