脚が太くてパンツがはけない「ティモンディ前田」 スカートを買いに行って起こった珍事とは
スカートは見つからなかったものの…
店頭に行き、僕でもはけるスカートはありますか、と期待に脚を膨らませて店員に聞くと、不審者を見るような目で見られた。何だその目は、と叱責しかけたものの、気持ちは分からなくもないため不問にした。
その場で商品の確認をしてもらったけれど、どうやらメンズのスカートはその店では取り扱っていなかったようだった。
僕の脚の太さでもはけるものはないでしょうか、お願いします、と涙が溢れて抑えることもできず懇願するうちに店員の困惑の表情が増していったのは言うまでもない。店員も災難だと同情するが、一番不憫なのは僕だ。
しかし、恥を忍んで聞いたのは正解だった。切なる願いというものは、相手を真摯にする。
店員は戸惑いながらも、スカートに拘らずとも世の中には僕でもはけるものが存在すると教えてくれた。
曰く、ニッカパンツなるものなら臨界点を超えた我が脚でも何とかなると。
店員はその場で、このお店が良いですよとオススメのものを教えてくれた。確かに、鳶職が着る形状のそれは、我が寒鰤でも包み込むのに余裕が充分あった。
こうして、勧められた店に行き、僕でもはけるオシャレなニッカパンツを手に入れるに至った。
世の中、捨てたものじゃない。
人の優しさを感じた、うれしい買い物であった。
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