石原、すず、有村……日テレ、“豪華キャスティング”の春ドラマはなぜ失敗したのか
春ドラマもいよいよクライマックスを迎えようとしているが、日本テレビが力を込めて制作した3作品の調子が悪い。石原さとみと綾野剛の「恋はDeepに」、菅田将暉と有村架純の「コントが始まる」、そして広瀬すずと櫻井翔の「ネメシス」だ。これ以上ないキャスティングを揃えたはずだが、一体どうした?
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2月頃、日テレが春ドラマの情報公開をすると、業界ではこう囁かれたという。
「3ドラマとも超豪華!」
「なぜ4月ドラマにあんなに人気俳優を揃えられたのか!」
日テレのドラマ枠は6つある。水曜22時の“水曜ドラマ”「恋はDeepに」、土曜22時の“土曜ドラマ”「コントが始まる」、日曜22時半の“日曜ドラマ”「ネメシス」、残り3枠は月曜深夜と水曜深夜、そして木曜深夜だから、自ずと前の3本が主力となる。民放プロデューサーは言う。
「だからといって、3本とも豪華キャストは難しい。にもかかわらず、日テレは主演俳優のみならず脚本、共演者まで超豪華だったので驚きました。どれだけ数字を取るのかと正直恐ろしかった」
豪華キャストが裏目に
ところが、フタを開けたらそれほどでもなかったのだ。“恋ぷに”は初回視聴率10・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)だったが、第7話(5月26日)は7.4%に。「コント~」は初回8.9%→第7話6.8%、「ネメシス」は初回11.4%→第8話7.8%と下がっている。今のところ、3作とも初回が最高視聴率だ。日テレ関係者が嘆く。
「日テレは数年前から主演俳優のキャスティングに力を入れています。しかし、今期の3ドラマはいずれも数字が取れず、豪華キャストが裏目に。SNSには《主演俳優が可哀想》《俳優の無駄遣い》などと書き込まれるようになってしまいました」
中でも《令和最低ドラマ》とまで酷評されているのが“恋ぷに”だ。
脚本は「おっさんずラブ」(テレビ朝日)や「私の家政夫ナギサさん」(TBS)で知られる徳尾浩司氏のオリジナル。海洋学者(石原)とリゾート会社の御曹司(綾野)とのラブコメディで、今田美桜や大谷亮平、鹿賀丈史、小手伸也らが脇を固める。
「石原はリゾート開発から海洋生物を守ろうとする役柄ですが、その設定は“人魚”。しかし、彼女と綾野の主演2人が脚本の仕上がりに納得がいかず、何度も修正が加えられたそうです。ところが、脚本はいじればいじるほど悪くなっていったそうで……」
デイリー新潮は「石原さとみ『恋はDeepに』が早くも失速……主演ドラマを調べて判明した意外な結果」(4月28日配信)で、“おとぎ話みたい”と報じた。
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