緊急事態宣言下の東京から山形や秋田に“越境飲み”に行く人の心理状態
家飲みは嫌!
「越境飲み」という言葉が新聞記事でも使われるようになってきた。緊急事態宣言が発令されている東京都の飲食店では、基本的にアルコールの提供禁止が求められている。そのため酒類の提供が禁止されていない自治体へ、わざわざ出かけて飲むわけだ。
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新聞社やテレビ局などが、どんな風に「越境飲み」の言葉を使っているのか、一部の見出しから“用例”をご紹介しよう。
◆「禁酒逃れ、越境飲み急増 近隣地域、きょう酒類自粛要請」(産経新聞:4月28日)
◆「『まん延防止』拡大で飲食店は “越境飲み”は? 人出増も」(FNNプライムオンライン:4月28日)
◆「『飲みたい』都内から越境 酒提供の自粛要請、隣接の街は」(朝日新聞:4月30日)
同様に「路上飲み」も社会問題となっている。こちらも見出しを紹介しておく。
◆「“路上飲みやめて” 都内繁華街のコンビニにポスター貼って呼びかけ 店内放送でも」(NHKニュース:5月1日)
◆「若者『路上飲み』まん延 『時短要請は茶番』 公園に響く笑い声 『屋外安心』誤解こそリスク 新型コロナ」(西日本新聞:5月1日)
「越境飲み」や「路上飲み」のSNS拡散などを調べたネット担当記者が言う。
「Twitterの場合、『今、越境飲みをしています』や『今、路上飲みしています』と“告白”しているツイートは少なくありません。ただ、意外なことに、炎上しているケースは見つけられませんでした。もちろん『そこまでして酒を飲みたいのか』と怒っている人も相当な数に上ります。『家で飲め』と書き込む人もかなり多いですね」
スナックで怒鳴り声
そこまでして外で飲みたいのか──呆れている人が多数派というわけだ。家で飲めば周囲の目に脅える必要もない。基本的には安上がりだし、終電も気にしなくていい。
家飲みはいいことずくめのはずだが、今や都民の「越境飲み」は埼玉県や千葉県を超え、東北地方にまで及んでいるという。
神奈川・埼玉・千葉の3県では、酒類提供の自粛を求めている自治体も少なくない。「越境飲み」をしたいのなら、遠出するしかない状況にはなっている。
福島県で会社を経営している60代の男性は、出張で山形県を訪れたところ、わざわざ酒を飲みに来た“都民”に出くわしたという。
「山形県は感染者数が少なく、普通に飲み屋が営業している街もあります。地元を知る人と一緒にバーを目指して歩いていると、ガラの悪そうな男性2人がスナックから出てきたのです。そして、お店の人に向かって『二度とこんな店に来ねえぞ、田舎者!』と怒鳴っていたんです」
眉をひそめて見ていると、2人が声をかけてきたという。
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