「バースの再来」はいなくても…阪神の外国人成功率は12球団トップだった

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史上最強の助っ人

 そして、“最大の原因”はやはりランディ・バースの存在だ。1985年からは2年連続で三冠王に輝き、史上最強の助っ人とも言われている。そのインパクトを超える選手は確かにいまだに現れていない。

 強打者タイプの左打の外国人が来日するたびに、スポーツ紙では“バースの再来”と報じられるが、そのような球団は阪神だけだ。昨年、在籍したボーアもその1人で、1年目の成績にしてはそれほど悪いものではなかったが、バースとの比較もあって、「期待外れ」と感じたファンが多かったはずだ。

 しかし、イメージの問題はあるものの、改めて数字で示したように、阪神の外国人選手の獲得については成功していると見るのが妥当である。来日が遅れていたアルカンタラとロハス・ジュニアは、まだ本領発揮とは言えない状況だが、彼らが機能すれば、さらにチームは盤石となるはずだ。バースのような“突出した存在”がいなくても、外国人選手の総合力で優勝を勝ち取る……そんなシーズンになることも十分に期待できるだろう。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年5月30日掲載

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