「バースの再来」はいなくても…阪神の外国人成功率は12球団トップだった
開幕からセ・リーグで順調に首位を走る阪神。大物ルーキーの佐藤輝明に注目が集まっているが、ここまでチームを牽引しているのは、投手ではガンケルとスアレス、野手ではサンズ、マルテの外国人選手であることは間違いないだろう。この外国人獲得の成功率の高さは、実は阪神の“大きな強み”と言える部分である。
8回のタイトル獲得
2010年以降に阪神に在籍してタイトルを獲得した選手を調べてみたところ、以下のようになった。
<投手5人、タイトル獲得回数8回>
メッセンジャー(2010年~2019年)
最多勝1回(2014年)、最多奪三振2回(2013年、2014年)
呉昇桓(2014年~2015年)
最多セーブ2回(2014年、2015年)
マテオ(2016年~2018年)
最優秀中継ぎ投手1回(2017年)
ドリス(2016年~2019年)
最多セーブ1回(2017年)
スアレス(2020年~)
最多セーブ1回(2020年)
<野手2人、タイトル獲得回数5回>
マートン(2010年~2015年)
首位打者1回(2014年)、最多安打3回(2010年、2011年、2013年)
ゴメス(2014年~2016年)
打点王1回(2014年)
阪神は、投手と野手をあわせて7人で、8回のタイトル獲得回数を誇っている。ちなみに、10年以降で、7人のタイトルホルダーというのは、12球団で最多の数字である。また、タイトル獲得には至らなかったものの、投手ではスタンリッジ、ジョンソン、野手では、ブラゼルが好成績を残しており、冒頭でも触れたように、今年在籍している選手の活躍も見事という他ない。
75試合で8本塁打
ただ、驚くほど阪神が外国人選手の獲得が上手いというイメージは定着していない。その1つ目の理由は成功した選手が投手に偏っているということが考えられるだろう。
さらに、投手でタイトルを獲得した5人のうち4人がリリーフ投手であり、長くローテーションを守ったのはメッセンジャーだけである。外国人のリリーフ投手といえば、03年と05年にリーグ優勝を果たした時も、ウィリアムスが勝利の方程式“JFK”の一角としてフル回転している。ただ、やはり先発投手や野手と比べると、どうしても地味なイメージというのは致し方ないところだろう。
もうひとつは、高い期待を背負って来日した選手が、失敗に終わったケースが目立っているという点だ。古くはチームの暗黒時代だった1997年に来日したグリーンウェルを思い出すファンも多いだろう。メジャー通算1400安打、130本塁打の実績を誇り、当時の球団史上最高額となる高年俸で入団したものの、自打球での骨折をきっかけに突如引退を表明。日本での出場はわずか9試合に終わった。
近年の代表例は2018年に入団したロサリオだ。メジャーや韓国で安定した数字を残し、来日当時29歳という若さもあって推定年俸3億4000万円という高額での契約だったが、結局75試合の出場で8本塁打という寂しい数字に終わり、わずか1年で退団している。他にもディアー、メンチなど結果を残せなかった大物選手が目立つ。高額な年俸で期待も大きかったがゆえに、それを裏切られた時のショックも大きかったと言えそうだ。
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