大勝して当然だったミャンマー戦 あえて収穫を挙げるなら…南野、大迫、鎌田の3人

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役割の明確化

 そして面白いのは、この3人に伊東が絡んでいないことだ。もちろんプレーとしては2点目と3点目の起点になっている。しかし伊東だけは「ゴーイング・マイ・ウエイ」といった感じで自己完結している印象を受ける。

 伊東は今シーズンのベルギーリーグでゴールとアシストの合計が20を超えており、「目標だった結果」と言いながらも、「もっともっと伸ばせるし、ドリブルで仕掛けたら取られないレベルに行きたい」とさらなる飛躍を目指している。

 1タッチ、2タッチのパスで相手を崩すコンビネーションと、ボールを持ったらまずはドリブルで仕掛けるという、それぞれの役割が明確化されている森保ジャパン。とはいえ、対戦相手の実力差を考えると、今後のW杯予選のタジキスタン戦とキルギス戦は“新戦力のテストの場”にして欲しい。例えば、大迫の代わりに南野をゼロトップに起用するなど、ポスト大迫をどうするか、などだ。

 本音を言えば、もっとレベルの高い相手との真剣勝負でドキドキするようなスリルを味わいたいところだが、それは9月から始まる最終予選に期待したい。現状ではグループAのシリアとグループBのオーストラリアが全勝で勝点を伸ばしている一方、W杯の出場経験があるイラン(グループC)は2勝2敗の3位、サウジアラビア(グループD)は2勝2分けの2位、韓国(グループH)も2勝2分けの2位と苦戦を強いられている。

 いずれにせよ6月で2次予選の結果が出るので、日本代表とU-24日本代表の試合を楽しみつつ、他のグループの結果にも注目したい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年5月30日掲載

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