「なぜ母国のサッカー選手を応援しないのか」抗議していた在日ミャンマー人たちの思い

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 ミャンマーを10−0で下し、ワールドカップ最終予選進出を決めたサッカー日本代表。対戦相手は、クーデターで実権を掌握した国軍による市民への弾圧が国際問題になっている国だった。会場の外では、キックオフ前から在日ミャンマー人たちが「ミャンマーサッカーチームは、国民を代表するな!」と抗議する声が響いていた。なぜ彼らは、国を代表する選手を応援しようとしないのか。呼びかけ人となった女性に思いを聞いた。

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SNSの呼びかけで集まった80人

 5月28日、午後5時過ぎ。試合会場の「千葉・フクダ電子アリーナ」に訪れると、プラカードを掲げ、シュプレヒコールをあげる一団があった。

「拘束されたサッカー選手たちをただちに解放しろ!」
「ミャンマーサッカーチームは、国民を代表するな!」
「スポーツへのミャンマー国軍の介入を反対!」

「Revolution Tokyo Myanmar」という在日ミャンマー人の団体による呼びかけで集まった、約80人の社会人や留学生たちである。

 掲げられたプラカードには、「ミャンマーサッカーチームは国民の代表ではない」「ミャンマーテロ軍部のサッカーチームをサポートしない」とも書かれている。彼らは、これから国旗を背負って戦おうとする同胞の選手たちを、強く非難しているのである。

 呼びかけ人のティリ・ティサーさん(30)に話を聞いた。

「もちろん自分の国の選手たちですから、応援したいという気持ちがないわけではありません。けれど、応援してしまったら、クーデータを起こした国軍を認めてしまうことになる。今、私たちの国では、たくさんの国民が国軍に殺され、生活に困窮しています。このチームは、その国軍から派遣されているのです」

「国軍に殺された選手もいる」

 代表選手らに対する疑問もあるという。

「中には代表に参加するよう脅され、日本に来た人もいると思います。でも、そういう中でも服従せずに、参加を辞退している選手も多くいます。ゴールキーパーを含めスタメンに入るメンバーのうち5人くらいは、抗議の意を示して参加していません。実は今日のメンバーの多くは2軍メンバー。抗議活動に参加した選手たちの中には、国軍によって殺されたり、拘束されている選手たちもいるのです」(同)

 そして、日本人に対してこう訴えかけるのだった。

「今日、一生懸命プレイをする日本の選手に対しては申し訳ないと思うんですけれども、今のミャンマーは、とてもサッカーを楽しめるような状況ではありません。日本人には、このチームをミャンマー国民の代表として認めて欲しくないのです。このようなチームを入国させた日本政府に対しても、今後抗議していくつもりです」(同)

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