低迷カープの“希望の光”…栗林良吏ら「ルーキ―三人衆」の意外な共通点
2016年からセ・リーグ3連覇を達成したものの、過去2年間はBクラスに低迷している広島カープ。今シーズンもここまでなかなか浮上のきっかけをつかむことができず、苦しい戦いが続いている。今オフには、主砲の鈴木誠也のポスティングシステムによるメジャー移籍も噂されており、再び「暗黒時代」への突入を危惧しているファンも多いことだろう。
しかし、そんな中でチームの光明となっているのが栗林良吏、森浦大輔、大道温貴のルーキー投手トリオだ。中崎翔太、今村猛、一岡竜司などが勤続疲労から揃って二軍暮らしとなっている穴を見事に埋める活躍を見せている。この3人がいなければ、チームはさらに苦しい戦いを強いられていただろう。そんな救世主とも言える3投手の活躍の要因を、アマチュア時代のプレーをもとに紐解いてみたい。
フォークボールの成長
まず、抑えに定着した栗林。社会人のトヨタ自動車から単独1位指名でのプロ入りとなったが、名城大時代から150キロを超えるストレートで注目を集めていた本格派だ。
ただ、大学時代は速くても高めに抜けるボールが目立ち、3年秋に出場した明治神宮大会では、初戦で3本のホームランを浴びて負け投手となっている。社会人でも、その悪癖が時折顔を見せることはあったが、スピード、コントロール、変化球全てにおいて格段にレベルアップしたことは間違いない。
昨年の都市対抗予選の初戦では、12球団、35人のスカウトが集結する前で7回を被安打2、無失点、10奪三振と圧巻のピッチングを見せており、この快投でドラフト1位は確定したと言っても良いだろう。
プロでいきなり抑えとして活躍できている要因は、一昨年の冬に社会人代表として出場したアジアウインターリーグの経験が大きい。プロの二軍も出場したこの大会で、栗林は抑えを任され、5試合を無失点と好投を見せている。そのことも栗林にとって大きな自信となったはずである。
これに加えて、プロ入り後に成長が感じられるのが、決め球のフォークボールだ。現役時代フォークの使い手だった永川勝浩投手コーチのアドバイスを受けて改良したとのことだが、社会人時代よりも、明らかに落差もブレーキもアップしている。このフォークが絶対的な決め球となっただけに、ストレートの勢いを維持することができれば、引き続き抑えとして期待できる。
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