巨人はソフトバンクに9連敗中 最後に勝ったのは2年前の交流戦 勝利の立役者は?
プロ野球はいよいよセ・パ交流戦に突入した。前半戦で最も注目される対戦カードは読売ジャイアンツ対福岡ソフトバンクホークスの一戦だろう。
というのもこの両チームは19・20年と2年連続日本シリーズで対戦。結果はご存知の通り、2年連続4タテの圧勝でホークスに凱歌が挙がっている。つまり、調整の場であるオープン戦を除けばジャイアンツは対ホークス戦連敗中なのである。ならばそのジャイアンツがホークスに最後に勝利した日はいつなのだろうか?
それは2年前の2019年6月22日、東京ドームで行われたセ・パ交流戦の3連戦の2戦目である。
ジャイアンツの先発は山口俊(現在はサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下に所属)。対するホークスはこの年、パの新人王に輝くサブマリン・高橋礼であった。試合は両先発が上々の立ち上がりをみせ、スコアボードには5連続で0が刻まれた。静かな幕開けだった。
だが、試合は突然3回裏に動く。ジャイアンツは2死無走者から1番・亀井善行と2番・坂本勇人が連続安打し一、二塁のチャンスを作ると、3番・丸佳浩が3ボール2ストライクのフルカウントからセンター前へ適時打を放って1点を先制。さらに4番・岡本和真もセンターへの適時二塁打で続き、2者が生還した。幸先よく序盤戦で計3点を先取することに成功した。
かたやホークスは4回を終わって相手先発の山口の前に2安打のみ。ようやくの反撃は5回表のことだった。6番・松田宣浩と7番・甲斐拓也が連続安打して作った1死一、三塁のチャンスに代打・栗原陵矢の二ゴロの間に1点を返したのだ。なおも2死一塁の状況で、この回にもう1点欲しいところ。しかしここで踏ん張った山口の前に1番・上林誠知が遊飛に倒れ、反撃は1点のみに終わってしまう。
続く6回表にもホークスは1死から3番・内川聖一が中前安打、4番・デスパイネが死球を受け、一、二塁のチャンスを迎える。だが、5番・グラシアルは右飛、6番・松田も中飛に倒れ、どうしても点が取れない。ジャイアンツ・山口の決め球フォークをとらえきれなったのだ。逆にピンチを招いた山口としては、グラシアルに低めを、松田には思い切ってど真ん中に投げ込むなど、フォークを効果的に使ったのが吉と出たのである。
こうなると流れはジャイアンツにやってくる。山口の力投に応えたい打線はその裏、ホークスの3番手・嘉弥真新也から先頭の3番・丸が左翼線へ二塁打。4番・岡本は内角の変化球にタイミングが合わず、三振に倒れたものの、5番・阿部慎之助が中前へ適時打を放ち、待望の追加点を奪ったのである。
とはいえ、ホークス打線はパ・リーグ随一の破壊力を誇っている。3点差ではまだまだ安心できない。一度打線に火がつけば、簡単にビッグイニングとなってしまうからだ。だが、そんな危惧を吹き飛ばしたのが7回裏の攻撃であった。4番手でマウンドに上がった松田遼馬からこの回先頭の7番・重信慎之介が四球を選ぶと続く8番・小林誠司の場面で盗塁に成功し、無死二塁。ここから小林が中前安打、9番・山口も四球を選び、無死満塁とチャンスを拡大させたのだ。
ここでホークスはたまらず5番手として加治屋蓮をマウンドに。するとこの加治屋から1番・亀井が右翼線に、6-1とリードを広げる2点適時二塁打を放ったのだ。さらに無死二、三塁から2番・坂本の右犠飛で7-1と突き放した。後続は倒れたものの、相手の戦意を喪失させる鮮やかな攻撃をみせたのであった。
あとはこの6点のリードを守るだけだった。ジャイアンツは山口から8回は高木京介、9回は澤村拓一(ボストン・レッドソックス)とつなぎ、相手の反撃を1点に抑える。結果、7-2での快勝であった。敗れたホークスが対ジャイアンツ戦で、ここまで投打ともに振るわなかった試合は珍しい。逆にジャイアンツの勝因はなんといっても先発・山口の好投に尽きる。7回を投げ、被安打5、奪三振7、失点1と試合を作り、この年の7勝目をマークすることとなったのである。
しかし喜びも束の間であった。ジャイアンツは翌日の3戦目をエース・菅野智之で落とし(スコアは1-5)、対ホークスの3連戦で負け越しを喫してしまったのだ。そしてこの1敗と日本シリーズの8連敗を合わせて、現在9連敗中なのである。今年のホークス戦は5月28日からの3連戦が組まれているが、その初戦に10連敗目が懸かっているワケだ。果たして悲願の連敗脱出か? それとも二ケタの大台か? 両軍のファンでなくても必見である。