「松中造反」「中日内紛」「ファンの抗議行動」…交流戦3大事件はなぜ起こったか

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 コロナ禍が続くなか、2年ぶりに開催されるプロ野球セ・パ交流戦。過去には、グラウンド上のプレーをめぐるトラブルやファンが起こした騒動など、さまざまな事件があった。2005年から19年までの15年間に起きた“交流戦事件簿”を振り返る。

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「ジャッジが2つ出た」

 審判の判定が分かれるほどの際どい打球をめぐり、ゲームセットに納得できない横浜ファンが深夜まで“抗議の居残り”を続けたのが、06年6月1日のソフトバンク戦である。

 1点を追う横浜は9回1死一塁で、多村仁が三塁線にゴロを転がした。鈴木章太三塁塁審は「ファウル」をコールし、多村は一塁に走るのをやめた。ところが、渡田均球審が「フェア」とジャッジしたことから、話がややこしくなった。

 直後、ボールは5-4-3と転送され、併殺で試合終了が宣告される。横浜・牛島和彦監督が「ジャッジが2つ出たんだから、(野球規則9.04に則り)協議しないといけないでしょう」と抗議したが、渡田球審は「球審のほうがよく見える場所にいたんで、自分のジャッジを優先しました。完全なフェアです」と突っぱねた。

 だが、多村はファウルの判定に惑わされてアウトになっているのだから、納得しろというほうが無理な話だ。不可解なゲームセットにスタンドの横浜ファンも激昂。グラウンドに飛び降りたり、メガホンなどを投げ込む騒ぎとなり、収拾がつかなくなった。

 その後、渡田球審が「球審がフェアと認めたので、ダブルプレーが成立しました」と場内説明を行ったが、一方的な物言いが火に油を注ぐ結果となり、多くのファンが帰ろうとせず、抗議行動の居残りを続けた。

 最終的に山中正竹球団専務が「今日の最後のプレーについて、(協議を行うという)ルールの適用を誤っているのではないかと思うので、連盟提訴も含めて協議します。その旨ご理解いただいて、時間も遅いので、お帰りください」と呼びかけたので、ようやくファンも軟化。すべてのファンが引き揚げたとき、時計の針は午前0時直前を指していた。

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