「幸福実現党」初代党首の仮想通貨トラブル 窮余の一策「トランプ基金」も頓挫で大ピンチ
その名も「リバティー」
2009年に発足した「幸福実現党」の初代党首だった饗庭直道(あえばじきどう)氏。現在は一般社団法人「JCU」(日本保守連合)の議長の職にあるが、組織の内情は火の車なのだとか。饗庭氏は金策のためにあの手この手を繰り出すものの、どれもうまくいかず、窮地に立たされている。
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昨年から名前を浩明(ひろあき)に改名した饗庭議長は、幸福の科学在職中から米国共和党に影響力を持つ「ACU」(米国保守連合)とのパイプを築き、退職後の15年にJCUを設立した。
ACUは毎年恒例の行事として、共和党の大物らが多数出席する「CPAC」(保守政治活動会議)を開催。饗庭議長もそれに参加し、トランプ前大統領らとツーショット写真に収まった。そのCPAC日本版のシンポジウム「J-CPAC」が、17年12月に都内で初めて執り行われ華々しい幕開けを飾った。
だがJCU関係者によると、入場チケットはほぼ無料で配っていたため、シンポジウムの収入はわずか数万円前後。なのに、年明けには開催費用3000万円弱の支払いが迫っていた。そんな崖っぷちの状況で、「饗庭さんが“仮想通貨を始めよう”と切り出したのです」
仮想通貨の名称は、幸福の科学の機関誌と同じ「リバティー」。プレゼン資料には“保守の一大コミュニティを創出”などと謳われたが、結局、「饗庭さんが最も頼ったのは、投資を専業にする幸福の科学の古参信者でした。その古参信者らを“販売代理人”に据え、販売額の10%を“ボーナス”としてキックバックする方式が取られました」
アゼルバイジャンの交換所への上場
一時期は7億5000万円超の収益を上げたこともある。「JCUの運営費にも事欠く始末だったのに饗庭さんは急に羽振りが良くなり、レクサスを乗り回し、スーツ2着を135万円で買い込んだりしていました」
リバティーはアゼルバイジャンの仮想通貨交換所「クロスエクスチェンジ」への上場に漕ぎ着けたものの、トラブルに見舞われてあえなく頓挫。以降は、カンボジアで銀行を開業したり、トランプ前大統領にかこつけて寄付を募ったりと、まさに迷走が続いた。窮地を脱すべく、饗庭議長が次にどのような神がかり的錬金術を繰り出すか、見物である。
「週刊新潮」2021年5月27日号「MONEY」欄の有料版では、饗庭議長が仮想通貨から銀行開業、寄付金集めに奔走する様を詳報する。