「中卒でバカ」「ブタみたいに動かない」 朝日山部屋の女将が弟子たちに凄絶パワハラ

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 元関脇、琴錦の朝日山親方(52)。若貴時代に優勝2回の名力士は、重婚騒動で世を賑わせた迷力士でもあるが、今度の主役はその際に話題に上った女将である。

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 一歩間違えば命を落としかねない「相撲道」の世界。その師弟関係において、世間より厳しい指導が行われるのは当然である。

 が、以下はどうだろうか。

〈料理は出来ない、掃除や稽古も適当、頭は悪い、出来るものが何一つ無いんですけど。舐めてんの? 最低限言われた事は一生懸命やれよ。監視しないと本当やらないねあんた達は〉

〈毎回毎回誤(ママ)ったら済むと思うなよ。それもアホの1つ覚えっていうの〉

 女将が弟子らとのグループLINEに送った文言だ。

〈お前らほんとにふざけてんな。クソ弱いくせに主張ばかりして。ほんと何回言っても変わらないね。バカ通り越してるわ〉

〈適当な仕事して嘘つきなんて仕事ないけどね。現実知った方がいいんじゃない?〉

 指導どころか、人格否定に近い文面である。

中卒でバカ

 2000年に引退した琴錦。部屋付き親方を経て、5年前に朝日山部屋を再興し、現在10人の弟子を育てている。

 その女将といえば、思い起こされるのは「重婚騒動」。1991年、琴錦は行きつけの喫茶店で当時バイトをしていた今の女将と入籍し、スポーツ紙が1面でスクープした。しかし当時、彼は別の短大生とも交際中。こちらに乗り換えようと思ったのか、「入籍は誤報」「別の女性と付き合っている」と報道を否定する。このハチャメチャな展開が「重婚」と騒がれ、結局、双方に弁護士が入った結果、短大生とは別れる羽目に。一連の経緯は連日、ワイドショーネタとなったのであった。

 それから30年。

「今度はその女将さんが親方の足を引っ張っている」

 と内情を明かすのは、さる部屋関係者である。

「親方自身はすごく良い人。でも、女将さんは弟子の好き嫌いが激しく、嫌いな弟子が少しでもミスをしたりすると、口汚い言葉で罵るんです。“中卒でバカ”“ブタみたいに動かない”“お前はクズ”“親が変だからお前も変だ”といった具合にね。そうなると止まらず、弟子たちは“発作が始まった”と怯えています」

 別の関係者も言う。

「数年前の話ですが、ある弟子の恩師が急死した。弟子が親方の許可を得て葬儀に出たところ、後日、女将さんから“力士は親の死に目にも会えないんだ”と叱責されたとか。その弟子は女将さんとそりが合わないこともあり、部屋を辞めましたが、荷物を片付ける際、部屋で可愛がっていた犬の写真を撮っていたら、“犬にも肖像権があるんだ”とこれもまた怒鳴られたそうです」

 本来なら、部屋の主である親方が戒めるべきだが、かつての経緯があるためか、

「何も言えない。“俺にはどうにもならない”とこぼしています」(同)

 とお手上げの体だという。

 実際、当の親方に本件について尋ねても、

「私は弟子に厳しいが、女将はそんなこと言わない」

 と必死にかばい立てをする。やはり尻に敷かれている感はありありだ。

 逆に女将ご本人に聞いてみると、意外にも事実を認めた上で、

「何回注意しても生活態度が直らないので、つい頭に来て言ってしまいました」

 と反省しきりなのだった。

 こうして臨む五月場所だが、先の関係者によれば、

「今の最高位は三段目。3月にも筆頭位だった弟子が辞めるなど、部屋の雰囲気は真っ暗ですね」

 この女将にしてこの部屋……。まさに土俵際である。

週刊新潮 2021年5月20日号掲載

ワイド特集「土俵際の人たち」より

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