パワハラで解任された北大前総長 裁判で明らかとなった北大の嘘、告発文書は無かった

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隠しマイクを設置

 名和氏は2020年12月、北大と国を相手取って解任の取り消しと約1460万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴。さらに北大に対し、パワハラの告発文書を不開示とした処分の取り消しを求める行政訴訟も同時に起こした。

 ところが今年の4月9日、パワハラ情報不開示処分取り消し訴訟の第2回弁論で、とんでもないことが明らかになった。冒頭で紹介したように、2018年9月、北大の顧問弁護士は名和氏に対し公益通報があったと話したのに、北大側は公益通報、つまり内部告発文書は存在しなかったと認めたのである。

 名和氏が言う。

「これは、私を解任した根拠が存在しなかったことを意味します。ちょっと脅せば引き下がると思って追放計画を描いたのでしょう。しかし私が提訴したものだから、ボロが出てしまったわけですよ。文書があると言えば捏造したことになり、文書偽造に問われますから、なかったと言わざるを得なかったのでしょう。これで総長選考会議は追い詰められた形となりました」

 では、なぜ名和氏は解任されたのか。

「文科省は近年、予算の削減のため大学教員削減を進めていました。ですが、私は逆に教員を増やしていました。それで私を追い出そうとしたのでしょう。パワハラ追及に熱心だった北大の事務局長は文科省出身でしたからね。最初にパワハラ告発文書があると言って私を脅し、その後に調査委員会を設けて私のアラを探せば何か出てくると思ったのでしょう。私の総長室や総長車には2017年12月から隠しマイクを設置して盗聴していたこともわかっています。組織的な工作だと思います。今後は“解任騒動”の真相を明らかにすべく、裁判で徹底的に戦っていくつもりです」

デイリー新潮取材班

2021年5月20日掲載

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