住友重機、機関銃の設計図を中国に流出させていた 外為法に抵触

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 領土を侵犯する中国の脅威が増す中、報じられない驚きの醜聞が。大手重機械メーカー「住友重機」が、陸上自衛隊の機関銃設計図を中国に流出させ、防衛当局で問題視されているというのだ。

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 先月15日、住友重機が陸自の機関銃生産から撤退することが報じられた。

 コマツが装甲車の開発をやめるなど近年、国内企業が防衛産業から手を引く例が相次いでいることからニュースとなり、岸防衛大臣も「今後の整備や自衛隊の運用に大きな影響を与えないように対応していく」と会見で述べたほどである。

「住重は、30年程前から自衛隊の機関銃生産に携わってきました」

 とは、さる軍事ジャーナリストである。

「ベルギー製の機関銃をライセンス生産してきたのですが、それが旧式化してきたため、2年前、陸自は新たな調達先を募集。住重は独自開発した機関銃の採用を目指し、選定に応募したのです」

 応募したのは同社を含めた3社。業界では今回も住重有利との声もあった。が、

「その評価試験が行われている最中の今年3月、突然、選定の辞退届を出した。注文数が少なく、採算に合わないとの理由でした」

外為法に…

 併せて同社は機関銃の生産そのものからも撤退を決めた。これだけなら確かに防衛産業の空洞化と論じられる事態だろう。

 ところが、だ。

「この過程で同社にまつわる不祥事が浮上したのです」

 とは、さる防衛省関係者。

「試験に当たり、住重はサンプルを作りました。その過程で、ある下請けの企業が、更にその下請けとして深センにある中国企業を選んでしまったんです。それだけでなく、機関銃のパーツの設計図まで渡してしまっていた」

 防衛産業の場合、設計図などの国外流出は、外為法に抵触することからご法度。仮に国外に出す場合は事前に申告しなければならないが、住重はその管理体制を十分に取っていなかった。

「設計図が外為法の規制対象であることを下請けに明示していなかったんですね。防衛省や、外為法の監督官庁である経産省はこれを把握。4月末、住重と下請けに指導が行われました」

 これを受け、

「省内では住重に対し、厳しい声が出ていますよ」

 と防衛省関係者が続ける。

「重要技術が中国に抜かれないよう、細心の注意を払うのは基本中の基本。が、本ケースでは野放しになっていた。長年携わってきて“ミス”では済まされません。防衛装備品を扱う企業にしては、意識が低すぎますね」

 当の住友重機に聞くと、

「管理不足については真摯に受け止め、下請企業管理の改善を行っています」

 との回答だった。

 元陸上自衛隊武器学校長の市川文一氏は言う。

「今の国内防衛産業の実態を見ると、起こるべくして起こったことだと思います。しかし、国内に産業基盤がないと有事の際、安保上のリスクを生む。防衛省はより手厚い予算を組み、また、業界の再編が進んでいかなくては危ういですよね」

 綻びに付け込む習近平の笑いが聞こえる。

週刊新潮 2021年5月20日号掲載

ワイド特集「土俵際の人たち」より

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