TBS「サンデーモーニング」原発処理水の報道で批判殺到 元担当大臣が指摘する問題点

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背負った“原罪”

 細野議員に取材を依頼し、ツイートを投稿した経緯や、考える問題点などを訊いた。議員によると4月18日の放送を視聴したのは偶然だったという。

「日曜でも会合の予定などが入っていますから、朝から多忙なんです。あの日は、たまたま『サンデーモーニング』を見ていました。ここで指摘しておきたいのは、番組が行った『処理水』の説明自体は何も問題なかったということです。その後に放送された目加田教授の発言があまりにもひどく、テレビを見ながら、思わず『これはおかしいだろ!』と叫んだのを覚えています」

 ちなみに5月2日の放送は見逃していたが、Twitterに問題視する投稿が行われたことで把握。番組の内容を確認し、改めてツイートで指摘したという。

 話を“原点”に戻せば、大臣経験者として、目加田教授の発言に問題があることはすぐに分かった。だが、実際にツイートを投稿するには熟慮を重ねたという。

「10年前、私は民主党政権の一員として原発事故に対応しました。事故は民主党政権で発生しましたから、『我々政府にも責任がある』と、いわば原罪というか、十字架を背負うような気持ちがあったのは事実です」

「風評加害」

 自分たちを正当化するような発言は慎まなければならないと考えてきた。だが、あれから10年が経った。福島第一原発の問題も、むしろ風化が心配されるようになってきた。

 3月に細野議員は社会学者の開沼博氏と共著で『東電福島原発事故 自己調査報告』(徳間書店)を上梓した。国際政治学者の三浦瑠麗氏が4月、日経ビジネスに「読むべき1冊『東電福島原発事故 自己調査報告』~原発事故からの10年」を寄稿するなど話題になっている。

「10年が経ち、自分の姿勢を見直してもいいのではないかと思うようになりました。『風評被害』があるならば、『風評加害』があります。あまりに科学的データや事実と異なる発言に対しては、訂正を求め、正しい事実を多くの方々に知ってもらうべきではないかと考えたのです」

 躊躇がなかったわけではない。現職の政治家として、報道を萎縮させることへの懸念もあった。

「番組スタッフの皆さんはプロとしての矜持をお持ちでしょう。門外漢にあれこれ言われるのは、やはり気分のいいものではないはずです。更にマスコミを批判するのも勇気がいります。私が世論の反発を買い、返り血を浴びてしまうかもしれない。とはいえ、汚染水の処理現場で、関係者の皆さんがどれだけ苦労してきたかを思い出せば、看過することはできませんでした」

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