無限好守の西武「源田壮亮」、珍プレーでもファンを虜にする“たまらん魅力”

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“超美技”と“神走塁”

“無限好守”の異名をとる西武・源田壮亮。広大な守備範囲、華麗な捕球術、捕球から投げるまでの速さも圧巻で、スーパープレーを目の当たりにしたファンの決まり文句「源田たまらん」も野球ファンの間ですっかり定着した。

 5月9日のソフトバンク戦でも、源田は、三塁ファウルゾーンへの飛球を、ショートの守備位置から落下点まで激走し、フェンスギリギリのところでスライディングキャッチする“超美技”を見せた。

 さらに50メートル5秒8の俊足を利した積極果敢な走塁も、源田の魅力のひとつだ。2019年6月11日の巨人戦では、山川穂高の中前安打で一塁から一気にホームインする“神走塁”を披露し、現役時代の西武・辻発彦監督が1987年の日本シリーズ、巨人戦で演じた“伝説のプレー”を再現した。

 だが、涼しい顔をしてビッグプレーを連発する一方で、源田は「本当に同じ人なのか?」と首を捻りたくなるような珍プレーや珍事件の主役になることも少なくない。

まさかの“ダブル転倒劇”

 今年4月21日のオリックス戦では、一塁走者のときに、足を警戒した山本由伸が何度もけん制したことから、帰塁の際にユニホームのベルトが切れてしまう珍事に見舞われた。

 そして、ここから“源田劇場”とも言うべき爆笑パフォーマンスが幕を開ける。一塁コーチのベルトを拝借したところ、サイズが合わず、緩くて締めることができない。ファーストのモヤがクスクス笑い、スタンドからも笑いが起きる。仕方なくノーベルトのままプレーを続行しようとしたが、一塁塁審に却下されると、今度はベンチから駆けつけた佐藤龍世のベルトを試着して、ようやくプレー再開。

 直後、山本のけん制で素早く帰塁すると、実況アナまで「ベルトは大丈夫です」と合いの手を入れる。試合後、「やっちゃいました。恥ずかしかった……」と照れていた源田だが、そんな天然ぶりも、“たまらん”なのである。

 初めて珍プレーの主役になったのは、ルーキー時代の17年4月16日のロッテ戦だった。

 西武が2対0とリードした2回2死、中前安打で出塁した源田は、次打者・浅村栄斗のとき、唐川侑己の5球目に二盗を試みた。浅村はセンターに飛球を打ち上げたが、打球はZOZOマリン名物の強風に押し戻され、慌てて前進する伊志嶺翔大を尻目にポテンヒットになった。

 すでに二塁手前まで来ていた源田は、一挙に三塁を狙おうとしたが、打球の行方を見ながら走っていたため、足元への注意がお留守になり、二塁を回ったところで、派手にコケてしまった。

 だが、起き上がって外野を見ると、伊志嶺まで足を滑らせて転倒し、ボールが転々としているではないか。源田は「しめた!」とばかりに三塁を回り、貴重な3点目のホームを踏んだ。

 まさかの“ダブル転倒劇”によって、チョンボが帳消しになる幸運に恵まれた源田は同年、遊撃手の新人としてNPB史上初の全試合フルイニング出場をはたした。

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