「高級カーシェア会社破綻騒動」から半年 雲隠れする「元社長」を追い込む「反社」
あれから半年。被害者のオーナーやマスコミが連日のように駆けつけ、上を下への大騒ぎになっていた駐車場は一変していた。破産を申し立てた元社長は、5月上旬に開催された債権者集会に顔は出したものの、雲隠れ中。そんな元社長を追う怪しい影がある。
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寿司詰め状態だった駐車場のいま
夏草や兵どもが夢の跡――。芭蕉の名句が浮かんでくるかのような光景であった。あの時、駐車場一面を寿司詰め状態で埋め尽くしていた270台の高級車のほとんどが姿を消し、広大な土地には十数台のトラックが整然と駐車されていた。
半年前、この地は阿鼻叫喚の修羅場と化していた。昨年11月、高級車専門カーシェア業者「スカイカーシェアグループ」(以下、スカイ社)が突然、経営破綻を発表。顔面蒼白になったオーナーたちは大挙してここに押しかけた。関係者が振り返る。
「スカイ社は、1日1万円くらいの格安料金で高級車に乗れることを売りにしたカーシェアリングサービスを、2018年春に開始。サービスを展開するにあたり、『負担金ゼロで契約報酬のほか月々の配当がもらえる』などという誘い文句でオーナーを勧誘していました」
タダで数十万円の契約報酬金がもらえる。甘い話に乗ってしまったオーナーたちは、信販会社と「オーバーローン」を契約し、中古車を実態価格よりはるかに高い値段で購入させられた。当初、スカイ社はオーナーに、月々のローン代など諸経費を振り込んでいたが、破綻直前にストップ。結果、約700人に及ぶオーナーたちが、ローン地獄に陥ってしまったのである。
「破綻と同時に代表のU氏らは夜逃げ。ふたを開ければ、カーシェアリング事業はほとんど回っておらず、自転車操業を続けていただけだった。大半の高級車も駐車場に放置されたままでした」(同)
泣き寝入りしたオーナーたち
一時、「被害者の会」を結成し、刑事告訴する動きを見せていたオーナーたちだったが、結局は泣き寝入りしたという。
「一部はUらを詐欺に問うと息巻いていましたが、スカイ社はカーシェア事業をまったくやっていなかったわけではなく、詐欺罪の成立が難しい案件だった」(同)
オーナーの大半は、20~30代の収入に乏しい若者たち。およそ半数は、親や親戚に泣きついたり、銀行に借り換えるなどしてローン残債を完済して車を処分した。金が用意できなかったオーナーの車は信販会社が処分。オーバーローンを組ませた瑕疵(かし)からか、実際に処分した値段よりも高い値段がつけられたようだが、半数のオーナーたちはいまも残債を払い続けている。
ただ、2台、3台とオーナーとなってしまい、数百万から1000万超のローンを抱えていた者の中にはあえなく自己破産した者もいるという。
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