鉄道の華「鉄橋」トリビア 全国最長は? 路線全体に占める割合は? 「偉い人」が決めた名は?
全国で最も長い鉄道用の橋梁
2015年度末の時点で同社の東北新幹線には鉄道用の橋梁が3776カ所、延長が91.8kmであった。
高架橋は1109カ所はよいとして、延長は324.225kmもあり、それが内訳でないのは明らかだ。
国から指摘されたのかどうかはわからないが、ともあれ2016年度以降は高架橋の数、延長とも公表するのを取りやめた。先に挙げた東京高架橋についても2015年度の数値だ。
最後に全国で最も長い鉄道用の橋梁を紹介しよう。一般にはJR東日本東北新幹線の一ノ関駅と水沢江刺駅との間にある第一北上川橋梁の長さ3.868kmであると考えられている。
新幹線であるとか一般的な鉄道のなかでの最長であれば正しい。しかし、モノレールにはもっと長い鉄道用の橋梁が存在するのだ。
その橋梁とは、千葉都市モノレールのモノレール橋である。
長さは国の統計では17.175km、同社の発表では同社の1号線と2号線とを合わせた15.2kmだ。数値の食い違いは気になるが、いずれにせよ第一北上川橋梁を大きく上回る。
橋梁の種類は不明ながら、国の統計によれば千葉都市モノレールには高架橋や架道橋は1カ所も存在しないという。
そして、これだけの長さの線路橋や跨線橋が架けられているはずもないので、消去法で狭い意味での橋梁となる。
モノレールは少々特殊で、線路は軌道桁と呼ばれる鉄道用の橋梁であり、しかも軌道桁以外の構造の区間は存在しない。
したがって、千葉都市モノレールに限らず、ほかのモノレールも全線が鉄道用の橋梁ではある。ただし、他のモノレールでは水面を越えるときだけ狭い意味での橋梁と呼び、他の区間では越えるものによって名称を分けているらしい。
興味深いことに一部のモノレールには狭い意味での橋梁でもなければ架道橋でも高架橋でもない区間もある。けれども、そのような区間も軌道桁が架けられていて、鉄道用の橋梁にしか見えない。
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