金屏風会見で中森明菜は近藤真彦に騙されたのか 仕掛け人が語っていた真相

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

「騙された」説はいつから?

 では、いつから「明菜は騙された」という金屏風会見の伝説が生まれたのか。新聞・雑誌のすべてを検索システムを使い、確認したところ、2016年2月以降のこと。つい最近だ。

 ある雑誌がこんな匿名の芸能ライターの談話を掲載した。

「明菜はジャニーズサイドから『マッチとの婚約会見だから』と呼ばれたが、現場に来てみると違っていた。つまり騙されたというのが通説になっています」

 以来、この類の話が散見されるようになった。

 実のところ、1990年代前半から、冗談としては流布されていた話だった。筆者がスポーツ新聞に勤務し、文化部記者をしていたころ、先輩の敏腕記者が酒席で、「明菜ちゃんは婚約会見だと騙されてたんじゃないの」と漏らした。おそらく、ほかの記者も同じような冗談を口にしただろう。この類の話には尾ひれが付きやすい。

 昭和の大物芸能人がガンで亡くなった際、「本当の死因は違う」とささやく人がいたことを思い出した。そんな話は今も絶えない。

 近藤の25歳年下女性との5年不倫が発覚したのは昨年11月。直後から無期限活動自粛に入り、4月30日に石もて追われるようにジャニーズ事務所を去った。やむを得ないだろう。スタッフやファンを裏切ったのだから。

 近藤は1990年代からヒット曲がほとんどない。明菜の会見以降、売れなくなったと言い換えてもいい。近藤は無責任に接してしまった明菜の幻影から、いまだ逃れられていないのではないか。

 金屏風の伝説が生まれた背景もそこにあるだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年5月10日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。