「ドラゴン桜」は前作と全くの別物と考えたほうがいい…第2話で気になった3つのポイント

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

気になった3つの点

 半面、気になったところもある。ドラマなのだから堅いことを言うつもりはないものの、ストーリーに腑に落ちない点があった。

(1)楓はコンビニでの万引きの証拠映像を桜木に握られたと思い込み、それを教室内に張られた桜木のテントから盗みだそうとしたが、見つからなかったため、放火した。桜木が「100%私の過失」と庇ったからとはいえ、罪を重ねている。水野が指摘した通り、放火は重罪。停学などの校内処分も免じたことが本人のためになるのか。

(2)バドミントン部コーチの西村は利恵に言い寄っていた。利恵が好きだから楓を陥れたのは明らか。これも教師としては重罪。懲戒免職を含めた厳罰を与えるべきではなかったか。

(3)楓は利恵の自分への陰謀を許し、さらには利恵を応援する。放火まで行って自己保身を図った楓が、なぜ急に自己犠牲の人に変わったのか。その心象風景が見えなかった――。

 福澤氏は今やすっかり「半沢直樹」の人であるものの、1995年の第4シリーズから2004年の第7シリーズまでとスペシャル版の「3年B組金八先生」を演出した。いじめ、不登校、性同一性障害、薬物問題など、ありとあらゆる青少年の問題を映像化した。学園ドラマのプロという自負があるに違いない。

「ドラゴン桜」は久しぶりの学園ドラマ。さぞ気合いが入っていることだろう。注目だ。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年5月9日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。