今田美桜、朝ドラ「お帰りモネ」に出演 初の主演ドラマも時間の問題と言われる訳
「福岡で一番かわいい女の子」。そんなキャッチフレーズで4年半前に本格デビューした女優の今田美桜(24)が、国民的人気を得る足掛かりを得た。NHKの次期連続テレビ小説「おかえりモネ」(5月17日スタート)への出演が決まったからだ。若者からの支持は既に厚いが、朝ドラ出演で中高年以上のファンも増やせるか。
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今田が演じるのは気象予報士の神野莉子。ヒロイン・清原果耶(19)が演じる永浦百音の同僚役だ。となると、出番は少なくないはずだ。
今田はNHKを通じ「とてもうれしいです」などとコメント。本音に違いない。昭和期より視聴率が落ちたとはいえ、連日1000万人以上が観ている晴れ舞台なのだから。
今田美桜は福岡市出身。地元の県立高校2年生だった2013年に同市内のモデル事務所にスカウトされた。その後は観光客向けのPRビデオや同ポスターに登場。地元テレビ番組にも出演した。
そのままではローカルタレントで終わってしまったはずだが、2016年に転機が訪れる。観光用ポスターをたまたま見た芸能関係者が惚れ込み、上京を勧めたのだ。現在の所属事務所の社長である。2016年、19歳の時だった。
「(高校を)卒業して1年間は福岡が拠点でした。東京に行きたい気持ちもあったんですが、行ってどうしたらいいのかもさっぱり分からなくて、ちょくちょく東京にオーディションを受けに行ったりしていて、落ちて帰ってきたり、受かってお仕事して帰ってきたりとか。そういうことをしていて『これでいいのか』というのはずっとありました」(今田*1)
地方に在住する芸能界志望者の本音だろう。今田は絶好のタイミングで声を掛けられたわけだ。
それから4年半。これ以上にないほど順調に階段を昇ってきた。所属事務所の戦略もうまかったし、本人もそれに応えるべく努力したのだろう。
例えば本格デビュー時に使われたキャッチフレーズが「福岡で一番かわいい女の子」だったのは前述の通り。面白い表現だった。「九州で一番」ではオーバーと捉えられるかも知れないし、逆に「福岡市で一番」ではスケールが小さいと思われかねない。ちょうど良かったかった。そもそも昭和期のアイドルばりにキャッチフレーズを付けたこと自体、目を引いた。
また、2018年には初の水着写真集『生命力』(集英社)を出し、話題になったが、昨年の2冊目『ラストショット』(講談社)で早々と水着は封印。もう肌の露出で話題になるつもりはなく、演技一本で勝負する考えだからだろう。これも戦略に違いない。
演技力の評価が高まっているのは事実。昨年はドラマ「半沢直樹」(TBS)に出演し、東京セントラル証券のOL・浜村瞳役を好演した。
東京中央銀行から出向していた半沢直樹(堺雅人、47)とプロパー組のエースである森山雅弘(賀来賢人、31)の部下だった。溌剌とした若手OLで、男性出演陣ばかりの中で存在感を示した。
「男性たちの熱いやり取りの中で一緒になって戦うカッコよさを日々感じています」(収録当時の今田、*2)
「半沢直樹」の放送は昨年7月から同9月だったが、同8月から同9月までは「親バカ青春白書」(日本テレビ)にも出た。掛け持ちであり、売れっ子の証である。役柄はヒロイン・さくら(永野芽郁、21)の大学の同級生で親友の寛子。活動的で芯の強い女性だった。
大きな目に力があるせいか、今田が演じるのはポジティブな女性役が大半だし、よく似合う。ただし、今田自身は役柄を絞り込むつもりはなく、「女優としては幅広い役ができるようになりたいと思っている」と語っている(*3)
事実、映画での今田はドラマのイメージとは一味違う。象徴的なのは初主演映画「カランコエの花」(2018年)。LGBTの親友を好奇の目や偏見から守り抜こうとする女子高生役を熱演した。
この映画は上映館が限られ、しかも短編だったが、「京都国際映画祭2017/クリエイターズ・ファクトリー」でグランプリに輝くなど映画祭で10冠を獲得した。複雑な心象風景を言葉ではなく表情で表した今田の演技も讃えられた。持ち味の1つである清潔感も生きた。
女優としてのキャリアはそう長くはないが、福岡時代から演技のレッスンを受けていたという。上京の誘いに応じた理由も女優になりたかったから。憧れの人は演技派の満島ひかり(35)。今田も演技を売り物にする女優を目指している。
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