夏の風物詩「ラムネ」が大ピンチ… コロナで4社が撤退、お祭り中止が痛手に

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「海外の方が売れた」珍現象

 もっとも、海外にラムネを輸出している木村飲料(株)では、こんな“珍現象”も――昨年は日本よりも海外に出荷した本数の方が多いというのだ。

「当社は海外40カ国にラムネを出荷しています。メインはアメリカです。近所にスーパーマーケットやコンビニエンスストアがある日本と違い、アメリカの都市部以外では、一度に買い溜めをし、自宅にストックしておく習慣があるのです。そういう地域では、貯蔵が効くガラス瓶のラムネは人気みたいです。日本が『ハレ』の日にラムネを飲むのに対し、アメリカでは『ケ』の日常にお飲み頂いているわけですね」

 とはいえ、あくまで大きく売り上げを下げた日本と比べて海外が……という話である。そもそも海外に輸出をしているラムネ業者も、全国で5社程度。やはり日本国内の需要が復活しない限りは、危機を脱することはできないのだ。

「ラムネを製造している業者さんは小さいところが多く、昨年の夏の時点で厳しいという話は聞いていました。それが今年もコロナの悪影響が続いているとなれば、いよいよ心配です。瓶を再利用して飲むこともあるラムネは、今後のエコ社会で“再評価”される飲み物なのではと思っています。ぜひ、飲んで応援してほしいですね。水が美味しい地域のラムネは、とくにおすすめです」(先の清水氏)

デイリー新潮取材班

2021年5月4日掲載

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