リコカツ、紘一(永山)は超エリートだった… 自衛隊員のリアルな“カネと結婚”事情
結婚間もない夫婦が離婚の準備を始めるところから物語は始まった。TBSのドラマ「リコカツ」(金曜午後10時)である。ファッション誌編集者の咲(北川景子、34)と航空自衛官の緒原紘一(永山瑛太、38)という組み合わせに最初から無理があったのでは? 自衛官のリアルな結婚事情とは――。
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婚姻は両性の合意のみに基いて成立する。そう憲法には書いてある。けれど、実際には生活サイクルが合う人と夫婦になりがちだ。
国防に取り組む男性自衛官のリアルな結婚事情はどうなっているのだろう。生活が不規則になりやすい編集者との結婚はあり得るのか。
「現実として自衛官同士以外の組み合わせでは共働きすら難しい。自衛官は常に災害派遣などの派遣要請に備えなくてはならないので」(父親が海上自衛隊幹部だった編集者)
海自の男性自衛官の場合、洋上勤務が多いことから、相手の女性側が専業主婦でないと、すれ違いばかりになってしまうそうだ。
「だから、うちの母親は独身時代はOLだったが、父親の求めに応じ、結婚と同時に専業主婦になった。陸海空問わず、自衛官と結婚した女性は専業主婦になるケースが多い」(同)
瑛太が演じている紘一の勤務先は、ドラマでは名前こそ出ていないものの、航空自衛隊の百里基地(茨城県小美玉市)。所属先は航空救難団で、立場はメディック(救難員)。勤務時間は不規則である。空自の捜索救難活動の中核を担っているからだ。
第1話での咲との出会いも、雪山で遭難した彼女の捜索救難活動だったのはご記憶の通り。災害派遣で出動することもある。今年2月には栃木県足利市での山林火災の消火にあたった。メディックは忙しいのだ。
特別職国家公務員である自衛官の勤務時間は本来、午前8時15分から午後5時までで、週休2日制だ。ただし、それはあくまで原則なのである。
かつて紘一と同じ航空自衛隊百里基地に勤務していた50代の元自衛官の場合、年下の同僚と結婚した。
「どうして結婚したかというと、一番の理由は価値観が合うと思ったので。緊急出動などに理解があるから、ありがたい。女性自衛官側は、結婚相手はほとんどが同じ職場の自衛官と言って良い」(元航空自衛隊百里基地勤務の男性)
自衛隊は1954年の創設当初から女性自衛官を受け入れてきた。このドラマにも1等空曹である紘一の後輩として純(田辺桃子、21)が登場している。3等空尉だから階級は紘一より3つ上。紘一に気があり、第2話で咲を森の中に置き去りにしたアブナイ女性だ。
女性自衛官の歴史は長い。ただし、その数は少ない。2020年3月末現在、約1万7000人で、全自衛官の約7.4%に過ぎない。
だから、紘一と咲のように異業種のカップルが生まれることはよくある。だが、いざ結婚することになり、男性自衛官側が相手の女性に専業主婦になることを望むとなると、男性側には相応の経済力が求められることになる。自衛官の収入はいかほどなのだろう。
「悪くはない」(同・元航空自衛隊百里基地勤務の男性)。自衛官の平均的な年収は40歳で約650万円(高卒)である。幹部自衛官(大卒程度)だと約870万円。40~44歳の民間企業のサラリーマンの平均年収は468万円(2017年分「民間給与実態統計調査」国税庁)なので、水準以上だ。おまけに自衛官は別に諸手当が付く。これがデカイ。
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