性格でわかる「頭痛」になりやすい人、なりにくい人 3万4000人の調査研究を読み解く
頭痛になりやすい性格
「研究によると、『神経症傾向』のある人は頭痛になりやすいことが分かりました。感情が不安定で落ち込みやすく、不安や怒りを感じやすい神経質な人に頭痛持ちが多いというのは、なんとなく納得できるかもしれません。一方で、『外向性』と『勤勉性』が高いほど、一過性の頭痛が起こりにくいという傾向も明らかになったのです」
と解説してくれるのは、早稲田大学文学学術院教授で、パーソナリティ心理学が専門の小塩真司氏である。
「頭痛になりにくい」性格なんて聞いた試しがないが……。「外向性」とは、活動的で刺激を求める傾向のことで、簡単にいうと人間関係に前向きで友達が多い人といったところだろうか。そして、まじめで目標を達成しようとする傾向を示す「勤勉性」が高い人も、頭痛になりにくいというのである。
「『外向性』と『勤勉性』が高い人については、ストレスの低さや睡眠の質の高さとの関連を示す別の研究があります。つまり、これらの性格を持つ人は、頭痛の原因となるストレスや睡眠不足に悩まされる人も少ないということでしょう。また、『外向的』で『勤勉性』の高い人は、太りにくい人が多いとされています。そして、肥満の傾向がある人は頭痛になりやすいという研究もあります」(同)
アメリカのジョンズホプキンス大学が2013年に発表した4000人を対象とした研究によると、普通体重の人に比べて肥満の人では片頭痛に悩まされるリスクが約1.8倍に上ることが分かっている。太っていればいるほど、頭痛を起こしやすいのである。つまり「外向的」で「勤勉性」が高い人は、スリムな体型を維持しやすいこともあって、体型の面からも頭痛になりにくいというわけだ。
「ストレスに上手く対処できるなど感情面でも、活発で太りにくいという健康面でも、『外向性』が高い人は頭痛になりにくいのです」(同)
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