幡野広志氏のCakes人生相談がまた炎上、何が問題だったのか?
相談者は14歳の女子中学生
文章や写真、マンガなどのコンテンツ配信を行うインターネットサイト「Cakes」で連載されている人生相談コーナー「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう。」で、4月26日に公開された記事が物議をかもし、炎上した。何が問題だったのか、ライターの西谷格氏による論考。
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最初に幡野氏の経歴をざっと紹介しておこう。Cakes上には以下のように記されている。
1983年東京生まれ。2004年日本写真芸術専門学校中退。2010年広告写真家高崎勉氏に師事。2011年独立、結婚。2012年狩猟免許取得。2017年に多発性骨髄腫という血液のガンを発症し、医師からあと3年の余命を宣告されている。
さて、当該記事は公開から数時間後に削除されたが、ネット上には記録が残っており、「Cakes 炎上 14歳」などのキーワードで検索すると、容易に見つけられる。記事の詳細を知りたい方はそちらを見て頂きたいが、概要は次のようなものだ。
相談者は14歳の女子中学生。
「幼馴染みの友人が19歳の社会人男性と交際しているが、避妊せず性行為をしているほか、彼氏は少年院に入りかけた経緯などもあり、友人のことがとても心配。幼馴染みは、家庭環境も決して良いとは言えない(家庭内暴力、家事や育児をすべて押し付けられる、母親は娘のお年玉でパチンコに行く等)。友人としてどうすべきか、悩んでいる」
といった内容の質問を投稿した。幡野氏はこれに対し、3000字ほどのボリュームで回答。
論旨としては「彼氏や母親など、幼馴染みを取り巻く環境には問題があると思うものの、本人にとってはなす術がなく、現状はベストではないがベターな選択なのだろう」との見解を示した。
その上で、後半では相談者を突き放すようにこう述べた。
キミの、キミが、キミも……
「キミの友達が悪いとはまったくおもいません。ただ若いだけ。そして環境に恵まれなかったというだけ。友達が自分で解決できる環境でもないし、解決する力も知識も行動力もまだ持っていない。そして、その力がないのはキミも同じなの」
最後は“人生の責任は自分で取るしかない”と諭し、こう結んだ。
「キミにもまったくおなじことがいえます。キミが決められるのも、キミが変えられることも、キミが責任をとれる範囲も、キミのことだけなの。だからまずは自分のしあわせを第一に考えましょう。キミが恋愛をするときに、友達の彼みたいな人は避ければいいよ」
ひらがなを多用しキミを連発する文体には、嫌悪感を示す声もあった。
14歳という年齢は、性交同意年齢(日本は13歳だが、諸外国は14歳~18歳程度が多く、日本は低すぎるとの指摘もある)を辛うじて超えてはいるものの、社会から守られるべき成長途中の年齢だ。
14歳の少女が避妊のない性行為を自ら望んでいるとは考えにくく、性暴力を受けていると言っても確かに過言ではない。
交際相手の男性の取っている行為は、青少年健全育成条例などで処罰される可能性がある。
また、家庭で暴力を受けたり家事をすべて押し付けられたりする行為は、多くの人が指摘しているように、虐待を受けていると言っていい。
幼馴染みの置かれた境遇は、あまりにも過酷だ。
もはや、公的な介入が必要な段階にあるのではないか。多くの読者がそう感じたからこそ、幡野氏の“キミには解決する力がない”という絶望的な回答に、多くの反発が生まれたのだろう。
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