慰安婦訴訟で正反対の結論を出させた文在寅 反日一辺倒では国民に支持されないことを悟った結果

国際 韓国・北朝鮮

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判決当日に野党のソウル市長と

 原告の1人である李容洙(イ・ヨンス)氏は、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を日米韓に訴えていたが、今回の訴訟で敗訴したことにより実現はさらに遠のいた。裁判長が言及した通り、この問題は韓国内で解決すべきものだろう。

 今回の判決を受け、正義連など慰安婦らを支援する団体ネットワークは「人権の最後の砦としての責務を果たさなかった裁判所を糾弾する」、「裁判所が歴史を戻した退行的な判決を敢行した」と、司法当局を激しく批判している。

 これまでならその主張に呼応し、反日の声が高まっても不思議ではないのだが、そんな動きはさほど見られず、世論は至ってクールな反応だ。

 当の文大統領もまた、かねて慰安婦や正義連の活動をサポートしてきた立場だったわけだが、判決が出たまさに21日、先日の選挙で当選したばかりのソウル市長と会談している。

 野党・国民の力に所属する市長はその場で、同じ保守で超長期の懲役刑を受けて収監されている李明博、朴槿恵の両元大統領の恩赦を求めた。

 文大統領はこれを却下することはなく、国民の反応を見極めたいなどと答えたとされる。
 
 両元大統領は文大統領にとって不倶戴天の敵で、文氏は両者を監獄に送った張本人ともされるわけだが、この恩赦が来年の大統領選で自らが所属する革新政党に有利に働くなら、カードとして使えると見ているのは間違いない。

 事実、韓国政府の関係者は「韓国の揺さぶりに応じず無視を決め込んだ日本の態度に、韓国の方がしびれを切らしたのは間違いない。反日一辺倒では国民に受けないことを政権は悟った。大統領選を見据え、フェーズが変わった」と話している。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月26日掲載

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