ゴミ屋敷に閉じ込められた20匹の猫を救え――東京・武蔵村山で勃発した市民vs行政の“30日戦争”
間に合わず死んでしまったサバ柄の猫
ともあれ、こうしておばあさんの遺体発見から24日目にして、猫は無事保護されたのである。だが、その際、悲しい事実も判明した。佐藤さんが前日、衰弱して危ないと心配していたサバ柄の猫が、救出に間に合わず、息を引き取っていた。都合2匹の遺体が見つかり、18匹の猫が動相センターの多摩支所に移送された。
週明けの11日、山口さん、佐藤さんらは、動相センターに18匹の猫の引き取りに向かったが、そこで驚愕の事実を目の当たりにする。山口さんが言う。
「家からセンターに移送する際に、猫たちは身動きが取れないような小さな箱に入れられていたのですが、土日の間もそのままにしていたのです。ダニ・ノミも取らないまま放置。生き物の命を預かる施設として、あまりにひどい対応です」
取り残されていた猫がいた!
さらにまだ話は続く。深夜の捕獲作戦から6日後、「福生猫サポ」の伊藤さんたちが、家に取り残された猫が1匹いるところを発見したのである。伊藤さんが振り返る。
「すぐに仲間に連絡し、翌日、動相センターに保護してもらいました。その際は『高円寺ニャンダラーズ』さんも入ることができました。ボランティア全員で家の中をくまなく捜索すると、キッチンのシンク下からたくさんの遺骨が見つかりました」
おばあさんが死亡しているのが発見されたのが3月16日。最後の1匹が保護されたのが4月16日。こうして1ヶ月にわたる救出劇が幕を閉じたのである。
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