ロシアが国後島で「サーフィン代表合宿」…狙いは実効支配? 背景に政府の“金欠”も

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〈国後島には100カ所ものサーフポイントがある〉

〈いくら地図に印をつけても、追いつかないほどだ〉

 日本固有の領土である国後島の地図上に、我が物顔で“サーフポイント”を書き込まんとするのは、ロシアのサーフィン連盟。今月に入り、国後島での五輪合宿の様子を、次々とSNS上に投稿し始めたのだ。

 外信部記者によれば、

「合宿は4月14日までの2週間で、男女6人の選手が参加。連盟の幹部らも地元・サハリン州を訪れ、“島の太平洋側に最適な場所を見つけた。新しく地名も付け、初心者用・上級者用など海岸を振り分けて、いずれ国際社会に公開する”とぶち上げたのです」

 確かに国後島周辺の海は波が高く、知る人ぞ知るサーフポイントなんだそう。

「ロシア側もその点を強調して、政治的な思惑を否定。しかし、過去のドーピング問題で、ロシアは個人資格での五輪参加しか認められていませんし、各選手の世界ランクは50位にも届かない。そもそも五輪に出場できる可能性は低く、ロシア側の言い分を額面通りには受け取れません」(同)

 実際、国際問題研究家の瀧澤一郎氏はこう言う。

「ロシアの大手ニュースサイトは“日本では、ロシアの選手たちを国境侵犯の廉(かど)で逮捕しろとの声が上がっている”などと報道。しかし、日本のニュースではそのような“声”は伝えられていませんし、周りでも聞きません。これは、かの国お得意のマスコミ工作。日本の強硬姿勢をでっち上げ、自国の世論をコントロールしようとしているのです」

 一方、今回の件を別の角度から見るのは、元時事通信モスクワ支局長の名越健郎氏だ。

「ロシアでは昨年7月の憲法改正により領土割譲禁止条項が設けられ、プーチン政権が続く限り、北方領土の返還が容易でないことが明確になりました」

 そう前置きした上で、

「どのみち返すつもりはないのですから“実効支配の強化”よりも“カネがない”というのが本音でしょう。近年、ロシアは経済成長が鈍り、北方領土の予算も減らされる一方。島のインフラ整備は地元が自腹を切るしかなく、海岸を整備してカネまで落としてくれるサーフィン連盟は、地元にとって願ってもない上客。政府も助かるというわけです」(同)

 実効支配にカネ。ロシアにとっては一石二鳥か。

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