DeNA、地獄の10連敗…“大低迷”の原因は中途半端な「ドラフト戦略」か?
外国人選手以外に……
開幕から約1カ月が経過したプロ野球のペナントレースだが、12球団の中で圧倒的に苦しんでいるのがDeNAだ。開幕から引き分け2つを挟んで6連敗。4月6日からの中日3連戦でようやく勝ち越したものの、そこから再び引き分け2つを挟んで10連敗と、5位にも大差をつけられた最下位に沈んでいる。
三原一晃球団代表が、新型コロナウイルスの影響で外国人選手の来日が遅れたことについて謝罪したが、4月13日にソトとオースティン、20日にエスコバーが一軍登録されてからも、チームの状態は上向いてはいない。それを考えると、不振の問題は外国人選手以外にもあると考えるのが妥当だろう。
まず、先発投手で役割を果たしていると言えるのは大貫晋一だけだ。阪口皓亮も3試合に先発して1勝1敗、防御率は1点台と数字的には悪くないが、全て5回でマウンドを降りている。リリーフ陣は三嶋一輝や山崎康晃、砂田毅樹が安定しているが、登板数が早くもかさんでおり、それが勝利には結びついていない。
一方の野手もルーキーの牧秀悟が大車輪の働きを見せているとはいえ、チーム総得点はリーグ5位に沈み、その得点力不足は明らかだ。
上位指名野手が少ない
現在のメンバーを見てみると、一つのことに気がつく。DeNAは、ドラフト上位(1位と2位)で入団して、野手の主力となっている選手が他球団と比べて圧倒的に少ない。
現在のスタメンのなかで、上位指名で入団したのは、前述した牧のみで、控え選手を見ても、神里和毅(2017年2位)しかいない。他のセ・リーグ5球団で、4月22日の試合で一軍ベンチ入りをしていた上位指名の野手を調べてみると、以下のような顔ぶれになった。
阪神:大山悠輔、近本光司、佐藤輝明、坂本誠志郎、北條史也
巨人:坂本勇人、岡本和真、吉川尚輝、重信慎之介、岸田行倫
ヤクルト:山田哲人、村上宗隆、西浦直亨
広島:菊池涼介、鈴木誠也、安部友裕、小園海斗、中村奨成、堂林翔太
中日:京田陽太、高橋周平、平田良介、根尾昂
※福留孝介(中日)は一度移籍し、今年復帰したのでノーカウントとした。
こうしてみると、いかにDeNAの上位指名野手が少ないかがよく分かるだろう。次いでヤクルトも3人と少ないが、山田と村上は球界を代表する選手であり、その存在感は圧倒的である。ちなみに、1位指名の野手が1人もベンチ入りしていないのはDeNAだけである。
この背景にあるのは、当然ながらドラフトだ。球団の親会社がDeNAとなったのが2012年。それ以降上位で指名した野手は白崎浩之(18年にオリックス移籍)、神里、伊藤裕季也、森敬斗、牧の5人しかいない。
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